新潮文庫
そして二人だけになった―Until Death Do Us Part

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 557p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101394312
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

全長4000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊。その内部に造られた「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間に科学者、医師、建築家など6名が集まった。プログラムの異常により、海水に囲まれて完全な密室と化した「バルブ」内で、次々と起こる殺人。残された盲目の天才科学者と彼のアシスタントの運命は…。反転する世界、衝撃の結末。知的企みに満ちた森ワールド、ここに顕現。

著者等紹介

森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生れ。現在、某国立大学助教授。’96年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

194
どこかで見たような題名が示すように閉鎖空間で1人、また1人と殺される典型的な“嵐の山荘物”だ。それまでの森作品にもまして学術的記述が多く、特に森氏の専門分野である土木・建築関係の専門知識が多く盛り込まれているのが特徴的。私も一介の土木技術者であるので既知の物もあれば、巨大構造物特有の知識なども披露されており、非常に興味深く読んだ。が、本書に出てくるような思いを秘めた土木技術者はいない。全てがすっきり解決しないのが森ミステリの特徴であるが、動機、真相ともに実にすっきりしない作品だったことは非常に残念だった。2016/11/27

ehirano1

158
舞台が賞を取った「すべてがFになる」を彷彿させ。既視感がハンパなかったです。ハナから違和感満載且つ、章頭の「相対性理論」からの引用をヒントに謎解きを妄想しながらとても楽しみました。結末は当てたか!と思ったのは完全に気のせいで、著者の方が1枚どころか4~5枚も上でしたwww。2021/12/12

ナルピーチ

151
巨大な海峡大橋内に造られた「バルブ」と呼ばれる施設で起きるクローズドサークルミステリー。開発に携わった6人が一人、また一人と殺害されていき、最後まで生き残ったのは題名が示す通り“二人だけ”となってしまう。互いに自分が犯人ではない事は分かっている。では一体、誰が犯人なのか。その目的とはなんなのか?トリックの構成に人の固定観念って凄いなと思い、 この小説ならではの仕掛けにまんまと翻弄させられた。読後に思うのも確かにこれは「そして二人だけになった」だなと痛感。初の森ワールド、しっかり満喫できました!2022/05/30

sk4

97
ミステリーファン同好の士たちの集い『蒼林堂古書店へようこそ』(乾くるみ)に紹介されていてチャレンジ。 以前に別作品で挫折していた森博嗣氏ですが、「最終的に残ったのが誰と誰なのか、読者の予想が当たることはまずないだろう」(by蒼林堂)とまで書いてあったので本書を手にしました。 最後のどんでん返しがどっちなのか難解だったのですが、『蒼林堂古書店』のこのコメントを参考にすると・・・納得。 やはりこれは予測不可能ですw ・・時折インサートされる勅使河原氏の思想が強いメッセージだったので熱くなりました。2013/01/27

かみぶくろ

93
ミステリーとか密室とか犯人とか動機とかの形式性を一度崩して組み直す、みたいな森博嗣さん的哲学自体は嫌いじゃないのだけれど、さすがにこれは収拾がついてないというか、小説を読むこと自体はどこまでも小説を読むという形式に沿って行われるのだから、あんまり形式を逸脱しすぎるとフィクションで非日常で小説であることの底が抜けるんじゃないかと、あくまで個人的な好き嫌いレベルで感じた次第です。2016/04/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/569639
  • ご注意事項