新潮文庫
流転の王妃の昭和史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101263113
  • NDC分類 916
  • Cコード C0123

内容説明

日本が戦争の泥沼におちいりつつあった昭和12年、旧侯爵家の長女だった著者は、軍部の仕組んだ政略結婚をあえて受け入れ、満州国皇帝の弟に嫁いだ。日中の架け橋として健気にその務めを果たしながら、戦後は夫と離ればなれに動乱の満州を流浪。そして16年をへて再会。国際結婚による民族風習の違い、その後の激動する境遇の障害を乗り越えて夫婦の愛を貫いた一人の女性の感動の一生。

目次

プロローグ 70歳の誕生パーティ
第1章 日満親善の美名の陰に
第2章 満州国での新生活
第3章 平安と戦火の狭間
第4章 終戦・満州国崩壊
第5章 流転の日々
第6章 母子三人の戦後
第7章 慧生・天城山に死す
第8章 再び夫の許に
エピローグ 紅葉の奥嵯峨・二尊院

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aqua_33

46
映画ラストエンペラーを初めて観たんだけど、別の視点からのお話を読みたくなり、溥儀の弟溥傑に嫁いだ日本人女性浩さんの著書を読む。あの時代に中国に日本人が嫁ぐのは政略以外の何者でもない。タイトル「流転の王妃」が表しているように、本当に流転だらけの人生。そんな中でも変わらぬ夫婦の愛。私自身にもう夫婦の愛は望めないけど(笑)、他の人たちの愛を読み、愛を知りほっこりする。こんな本の楽しみ方もありですね。《2020年1冊目》2020/01/02

みつき 

43
清朝最後の皇帝愛新覚羅溥儀の弟溥傑に嫁いだ浩が波瀾に満ちた半生を振り返った自伝小説。日本の敗戦後、中国大陸を旧日本軍だけでなく八路軍や国民党軍に振り回され、軍の施設、留置場を転々とし、銃弾の雨にさらされたご経験には思わず息を飲みます。当時の状況の陰惨さを知る上では貴重な文献であると思います。16年もご主人と離れ離れであった事、最愛のお嬢様のご不幸はさぞお辛かったでしょう。最後に収録されている溥傑氏の、今は亡き妻に思いを馳せた漢詩が美しく、情感にあふれていて深い感銘を受けました。2013/07/14

ぶんこ

11
愛新覚羅溥儀さんに子供がいなかった為、弟の溥傑さんと、嵯峨公爵家の長女だった浩さんは、お見合いの席で人柄に惹かれて嫁いだのでした。稲毛海岸での新婚生活は、穏やかで楽しい日々でしたが、満州に行かれてからは辛い日々が続き、終戦に伴い溥儀の退位が決まり、次女との壮絶な逃避行が始まり、最後の引揚船で帰国が出来ました。夫との再会は、それから16年後でした。その間に長女慧生さんの心中事件があり、脅かされて連れて行かれ、無理やり殺されたとなってます。その後、夫である溥傑さんの自伝を読むと、違う事が書かれてました。

ち〜

7
映画ラストエンペラーを感動的に見たのを思い出しました。確か浩さんは、パーティーか何かの時に妊婦姿でチラッと出てきた記憶があります。政略結婚で始まった夫婦が、波乱万丈の人生のなか、強い絆で結ばれている所が感動的でした。2015/04/11

6
満州皇帝の弟に嫁いだ浩さんという女性の自伝。文面がとても柔らかく上品で、心地よかった。超の付くお嬢様生活から拘置所、アヘン中毒の皇后の世話など、まさに流転の人生。ところどころに出てくる、桁違いに豪華な贈り物や生活ぶりに驚かされた。 それにしても、チキンラーメンはさっぱりした食べ物なのかな?2015/02/05

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