新潮文庫<br> ドンレミイの雨

新潮文庫
ドンレミイの雨

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101156521
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

パリに行くたびに入りびたっていた古き良き居酒屋[B・O・F]。それが忽然とハンバーガー屋に姿を変え、老主人ジャンも行方知れずになっていた。寂しい思いでパリをあとにした私は、東フランスの寒村ドンレミイの茶店で、ジャンから居酒屋を買い取ったはずの男を見かけたのだった。ジャンとの心のかよい合いを描く短編「ドンレミイの雨」に、ベルギー・南フランス・バリ島紀行を収録。

目次

小説 ドンレミイの雨
紀行 フランスとベルギーの暑い夏(パリの変貌;ベルギーの暑い夏;ワーテルローの古戦場;フジタの礼拝堂 ほか)
紀行 フランスの秋・その落日(イノサンの泉;ドイツの一夜;ルノワールの家 ほか)
紀行 シンガポール・バリ島の旅(ホテル―グッドウッド・パーク;シンガポールからバリ島へ ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

13
何とも心休まる、ゆったりと気持ちが落ち着くエッセイ。欧州と東南アジアの紀行文に写真と自作の挿絵が添えられている。著者は自らの価値観を、宿命と自己責任が複雑に刻み込まれた、独立した一個の彫刻の様に見つめている。老人の悟りの様でもあるが、その境地に達するには、ある時点で意志を持って「飛ぶ」必要があると思うのだ。本書が安らぎを与えてくれるのは、普段囚われがちな自己憐憫や嫉妬から、一時でも読者を引き離し、「飛んだ」人の見る世界を見せてくれるためではないか。著者のエッセイの中でも特に味わい深い一冊だと思う。2016/08/10

Bo-he-mian

11
安彦良和氏の『ジャンヌ』を読んで、ドンレミイってジャンヌ・ダルクが生まれ育った村の名前だと知る・・・って、10年以上前に一度読んでいるのだが、その時はスルーしたのか。で、なぜか急に読みたくなったのがこの本(笑)。池波正太郎のフランス/東南アジア紀行のエッセイ。表題作のみ短編小説の体裁をとっているが、池波氏の体験がベースで、「私」も作者本人。おそらく、ラストシーンが創作された部分なのだと思う。池波正太郎は高校生の頃から読んでいるので、久しぶりに旧友と再会したような気分で読んだ。2022/04/21

Taito Alkara

5
小説の部分だけ読みました。ちょっと切ないお話。短編は読みやすくていいな、と感じる今日このごろ……。2015/09/23

HIRO1970

2
☆★☆池波さんの紀行文は初めて読みましたが、すぐに引き込まれてしまいました。フランス、シンガポール、マレーシアと違う表情を魅せる場と人を池波流に解釈しているのが自然で非常に腑に落ちる見方でありました。30年近く前のものですが、それにしても全く古さを感じさせないのはどうしてでしょうか?見習えるのなら会得したいものです。2012/11/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/378613
  • ご注意事項