新潮文庫<br> フランス映画旅行

新潮文庫
フランス映画旅行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101156484
  • NDC分類 778.235

内容説明

初めてのパリだったが、街のたたずまいがたちどころに理解できた。なぜなら、50年間フランス映画を見つづけてきて、これまでに何度も見た風景に再会した―そんな思いを抱いたから。初の海外旅行の感動を名優ジャン・ギャバンの思い出とからめ、自筆の絵・写真とともに語り下ろした表題作に、時代小説作家とフランスとの素敵な意気投合ぶりを伝える「あるシネマディクトの旅」を併録。

目次

フランス映画旅行(パリは白くなった…が第一印象;モンマルトルの丘の下で;フォリー・ベルジェールの今昔;ジャン・ギャバンの青春;デュヴィヴィエとの出会い;映画にも映画館にも表われる個人主義;バルビゾンの運転手のこと;ギャバンが好きだったノルマンディ;27年間添い遂げた理想の伴侶;ディートリッヒとの大恋愛;マルセル・カルネの舞台;パリの味・パリの酒;マルセイユ ニース リヨン;晩年は気むずかし屋だったギャバン;ギャバンの名作;アメリカ映画のエネルギー源;古いものは一切顧みない日本人;ルイ・ジューヴェの墓前で;ジャン・ルイ・バロオ;フランス人気質について)
あるシネマディクトの旅

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HIRO1970

28
⭐️⭐️⭐️正ちゃんのフランス旅行の数ある作品をまとめた再編集版。話の筋としては既読の内容が大部分でしたが、正ちゃんの実際の喋り方そのままに表現されている部分が多くて、本人の普段の最後に主語が倒置的に付け加えられる感じの話し方が独特で、語りかけられている感じがすごく良く解るマニアにはたまらない部分のある稀有な作品です。正ちゃんがかなり好きな人にはオススメです。2015/03/07

東森久利斗

3
フランスのエスプリ、パリの街に根付く自由奔放で開放感な日常と人生、気ままに感じたまま、見たままを伝える内容からは、なぜか、池波正太郎のこよなく愛した江戸情緒に溢れる本所深川、浅草、銀座の街並み、天ぷら、寿司、蕎麦の芳醇な出汁の芳香を感じずにはいられない。2018/08/10

swshght

3
池波正太郎がこれほどフランス映画に造詣が深いとは知らなかった。池波の膨大な映画体験と豊穣な映画的記憶はシネフィルも真っ青なほどに確かなものだ。そこには一切のブレがない。「あの頃フランス映画で見た光景」がフランスの地に降り立つやいなや、鮮明に蘇ってくる。J・ギャバンを筆頭に、J・デュヴィヴィエ、M・カルネ、J・フェデー、R・クレール、J・ルノワール、J・ベッケルなどの言及が随所にある。映画のイメージのみならず、訪問した土地の情景をロマンティックかつノスタルジックに紡ぎ出すあたりは、さすが作家というべきか。2012/07/09

ももんが

3
時代小説はあんまり読むほうじゃないんですけど、これは拾い物。というと言葉が悪いが、すごくおもしろかった。イケショーのフランス映画(シムノンも)好きは、なんとなく知識としては知っていたけど、このエッセイを見るとそれとあわせて、彼の人柄であるとか、作家とはどうあるべきかという端々での言及が味わい深く、イイです。思わず、印象的な箇所を書き写してしまった(笑)。2009/01/27

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