新潮文庫<br> 夜と陽炎―耳の物語**

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新潮文庫
夜と陽炎―耳の物語**

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784101128238
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

耳の越に刻まれた《音》の記憶をもとに半生を再構築する。《音》は茫漠たる過去を鮮から照らし出す。―ヴェトナムの戦場で体験した迫撃砲の轟音。家庭をかえりみない夫に対して妻と娘が浴びせかける罵声。アマゾンで聞いたベートーヴェン…。昭和29年にサントリーに入社し、芥川賞を得て作家となり現在に至るまでを、一人称「私」ぬきの文体で綴る野心作。日本文学大賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

さっと

5
開高健の自伝。現サントリーに入ってからのコピーライターとして安定(?)した日々と個性的な仲間の面々、そして小説家への第一歩となる『パニック』の題材(新聞記事)とのドラマチックな出会い、家庭を顧みない夫に浴びせられる嫁娘の容赦ない糾弾など、二分冊の前編「破れた繭」が『青い月曜日』と重なる部分が多かったぶん、個人的にこちらは読みごたえがあった。それから、本編とは関係ないところだけど、流氷を400字近くかけて説明する箇所があって、もし「開高健と北海道」展を開催するなら、もう入り口にこの一文を掲げたい。2019/07/07

60代でも思春期

2
耳の奥に刻まれた記憶をもとに半生を再構築する。ベトナムの戦場で聞いた迫撃砲、家庭を省みない夫、父に浴びせる妻と娘の罵詈雑言、アマゾンで聞いたベートーベン。サントリーに入社、当時はなかったコピーライターの仕事、夜な夜な夜の街を飲み歩き、怪しげな風俗街での底辺の人々との交わり。ベトナムの戦線ど真ん中で危険にさらされながら、兵士や住民とともに行動した。類い稀なる文体、表現力。淡々とした話の展開力はただ者ではない。2020/02/08

あかふく

2
開高健の自伝。作家デビューから北米南米まで。開高はそもそも書きたいものがあって作家になったわけではなく、なんとか頭に思い浮かんだ表現を使って書き継いだという感じの作家だ。あるのは文体だけであって、その形を求めるが、到達点である『輝ける闇』はその文体すら失ったところで書いた作品だった。しかし喪失は再び訪れる。とにかく様々なものを見て、そこから喚起される形でしか開高は書けなかったのだろうか。「自分の底には何もない」と気づいていたはずの作家の自伝は奇妙に歪んでいる。2013/03/03

hsemsk

1
「開高健 電子全集17」にて読了。2018/05/02

地を這う円盤

0
破れた繭から続く、耳の物語の第2部。女のコネでサントリーに入社し、ウィスキーを啜りながらコピーを書く。独立し、ヨーロッパを彷徨ったり、アイヒマン裁判を傍聴したり、ヴェトナムに潜りこんだり、北米から南米までを縦断する。"帰国すると書斎にこもって原稿を書くことにふけり、ひたすら紙と字に沈殿するが、やがてひっそりと何かが腐って分解のはじまる気配がこみあげてくると、不安からか、焦燥からか、もしくはその二つのからみあいからか、新しい刺激と口実をとらえては、空港にかけつけた"。2020/05/02

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