内容説明
笑いは消化を助ける。胃散より遙かに効く。（カント）もし汝が賢ければ、笑え。（マルティアリス）―このせちがらいご時世、せめて食卓やお酒の席は楽しくいきたいものです。テーブルを盛り上げるために開高健秘蔵のジョークのスパイスを用意なさってはいかがでしょうか。マイルドから超辛口まで、特選銘柄をそろえたジョーク・ア・ラ・カルト。内外の漫画多数、７話に英訳つき。
目次
１ アペリチフ
２ オードブル
３ スープ
４ 魚料理
５ 肉料理
６ サラダ
７ チーズ
８ アイスクリーム
９ 葉巻
１０ 食後の散歩
１１ 水を一杯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
37
開高健初読み。非常に面白かったです。テーマは笑える小話です。著者が世界各国で覚えた様々な言い伝えを書いています。だいたいネガティブな下ネタで笑いの破壊力は抜群でした。半日で読める量です。下ネタは私の苦手分野なので勉強になりました。開高健の他の本もぜひ読みたくなりました。2019/03/11
花々
12
著者が各国で聞き集めた、若干皮肉の効いた小話集。さらりと短く、落ちがすぐくるので、テンポがよくどんどん読み進みました。本当に語りがうまいので、面白くて途中でやめられない！最後のほうで、著者は、もう僕の持ちネタはここに書き尽くしてしまったので、食事の席でする話しがなくなってしまった、というようなことを書いていましたが、いやいやこんなに小話や外国の体験談が豊富な方ですから、人を引き付ける話しの引き出しは無限にあったのではないでしょうか。2017/01/02
さっと
11
東西の食事（お酒）の席で見聞したとっておきの小話はやはり下ネタも多く、これはもう世界共通の事象であるけれでも、そのはぐらかしかた、ものの言いよう、オブラートの包み方はさすがにお上手。こちらもゲラゲラやらずにクスリとさりげなく笑う程度が紳士のたしなみでしょう。傑作は力自慢の男がバーでレモンをしぼる、それを見ていたひょろ男が完璧にしぼりきる。「あんた何者だ？」「なぁに、ちょっと税務署に勤めてるもんで」とくる。北風と太陽みたいだが、童話は微笑ましくても大人の小話はなかなかシビアに現実をヒリヒリと突きつけてくる。2020/05/05
酔いよい
9
冒頭、開高さんは書く。「西洋の食事の席では皆んな面白い小話をする。苦い、酸っぱい、辛い人生・・・せめて飯を食っている間だけでも、慰めあい、励ましあい、楽しみあおうじゃないかという精神がある。これが食事をするときの本当の姿ではないだろうか」と。そして 世界各国の艶笑小話の数々を紹介している。まあ、食事どきにはいかがなものか？と思ってしまうような いささか尾籠な小話もあるのだが(笑)。哲学者カントのこんな言葉も初めて知った。「笑いは消化を助ける。胃散より遥かに効く」・・・カントがこんなことを言ってたとはね。2014/05/03
Re Ga Ga
4
開高さんが旅した世界のあちこちで見聞きしたネタ（集）。アペリティフから、最後の葉巻まで、と、章立ても食事にちなんでいて、なるほどなぁと思った。さりげなーく、言葉を選びつつ小話展開されるため、？？と思って読み戻ると、、急に意味が入ってきちゃう話など、その道の話にも、世界の色がでている。リズムよく読めます。後書きにあたる水を一杯では、本としてだしたから、自身のネタがなくなってしまった、と書いていて、最後の最後まで面白く読めました。2021/09/24
