新潮文庫<br> 六合目の仇討

新潮文庫
六合目の仇討

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101122250
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大阪魂

48
新田さんすごい!歴史小説でもこんなおもろい本書いてはったんや!短編12編なんやけど、どれも酷く哀しい人間模様のんばっかしやったし、うまいこと史実に絡ませてはったから一話ごとに感動しまくりやった!得意の山にまつわるのは表題作と「近藤富士」。江戸って人造富士がいっぱいつくられてたんやね!有名な史実と絡んでたんは家康と梅雪の「伊賀越え」江戸城つくった道灌の哀しい恋物語「太田道灌の最期」頼家の暗殺絡みの「仁田忠常異聞」。それ以外にも人形師、大奥の医者、流人の処刑人のお話などなど…新田さんの歴史小説もどんどんよも2021/08/06

タツ フカガワ

37
どれも読み応えのある時代小説12編の短編集。なかでも与力から書物奉行へと異例の出世を遂げた近藤重蔵が、目黒の別邸に高さ三十尺の富士を築いたことから始まる転落を描いた「近藤富士」、二十年にわたり技を競い合った二人の人形師の職人譚「生人形」。伊豆七島新島の流人史から題材をとった二編「指」「島名主」が面白かった。2021/11/11

なにょう

13
読みでがある。富士の六合目で敵討ちやったら息切れするんじゃないか、と素朴に疑問に思い手にとった。12の短編。★なんで家康は秀吉に天下を譲ることになったか。江戸城を築城した太田道灌はどんな人だったか。一見世を捨てたかに見える人形師の執念とは。流人はいかに暮らしたか。首括りの金太は。人は目的の為なら手段を選ばない。裏切りもすれば、金にものをいわせる。無理を通せば道理がひっこむ。しかし、無理はやはりいつか破綻する。2018/08/03

まさげ

12
それぞれ読み応えがある作品でした。「指」の金太、「意地ぬ出んじら」の後述が印象に残りました。 2023/02/26

キムチ27

7
12編の短編ながらも、私には何れも「テーマをしっかと持った人間を描いた内容」と伝わり、逐一、心にビシビシ来た。。1作読むごとにふぅ~。 表題、「賄賂」が特に面白かった。 昨夏、富士吉田から登った記憶が新しいせいもあるが、10年を経て中畑の陰謀を目の当たりにした八兵衛の怒り心頭が如実に感じ取れる。 医は算術の玄益。優雅なはずの歌会は出世欲が渦巻く生臭い場。そこに女が絡むとあれば修羅にならぬはずもなく、天網恢恢、疎にして漏らさぬ結果になった。因果応報と言え、最後のホラーチックな噂話が面白い。 2013/03/28

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