新潮文庫<br> アルプスの谷 アルプスの村 (改版)

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新潮文庫
アルプスの谷 アルプスの村 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101122168
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

内容説明

チューリッヒを出発した汽車は牧草地をぬけるとアルプスの山塊を登っていく。いきなり車窓に飛びこんできた巨大な岩壁のアイガー、朝日に全容を示した坐せる孤峰のマッターホルンをはじめ、人なつこい宿の主人シュトイリ氏、チナールの谷で逢った愛らしいベルギーの少女たちなど、憧れの土地で接した自然の風物と人情の機微を清々しい筆で捉えた紀行文。佐貫亦男氏の写真多数収録。

目次

白銀の峰々
老ガイドの宿
ユングフラウヨッホに立つ
樅の森に雨が降る
滑らかな草原ツェルマットへ
山岳博物館と遭難者墓地
石の巨人―マッターホルン
郵便バスに乗って
プティムンテの小屋
白銀のガウン
メールドグラースの大氷河
山岳兵のいる街
窓に花のない村
死んだ山
エタンソンの谷
アラレの降る国境
一点の光明
真夏の雪
谷間で会った少年
さよならアルプス

著者等紹介

新田次郎[ニッタジロウ]
1912(明治45)年、長野県上諏訪生れ。無線電信講習所を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。’56(昭和31)年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、’74年『武田信玄』等で吉川英治賞を受ける。’80年、心筋梗塞で急逝
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

財布にジャック

51
新田さんがスイスを旅した時の旅行記です。山に登るのではなく山のすそのの村々を訪ねる旅なので、山好きでなくても楽しめます。こんなにじっくりとゆったりとスイス巡りが出来たら幸せだろうなぁと羨ましくなりました。2014/03/30

イロハニ

20
昭和期中葉の趣深い欧州山岳紀行。その或る年の盛夏から初秋にかけての旅程。佐貫亦男氏と二人旅である。苦しくもあったが素晴らしい旅となった。この長旅の記述には終始、冗漫さは無い。景観描写や旅情の筆致佳く時々爆発する怒鳴り、悪態も痛快である。更に巡り歩く先々の土着の人々に対し山国育ちの著者は共感を抱き己との共通性をも見出していたが或る時一つの動作の中に彼我の山村人の精神の内奥、その落差に気付かされた。それは令和の今でも問われる著者の遺訓でもあろう。精密なスイス地形図を片手に本書の旅程を辿ったのは一興だった。2022/08/26

スプリント

14
昭和30年代のアルプス紀行文です。 新田さんの山岳もの作品のルーツが辿れます。 風景描写と生活描写が素晴らしいです。2016/11/20

rokoroko

13
随分昔の旅の話。スイスに私が行ったのは40年位前。それより前の私が生まれた時位の話。今はどうなっているんだろう?もっとリゾート化が進んでいるんだろうな~2019/10/28

RYOyan

11
ほぼ10年前にスイスを旅したので、さらに50年前くらいの現地の様子が伝わってきて興味深く読めた。今ほど海外旅行が一般的ではなかった時代に、日本人としてこの地を訪れるのはかなり珍しいことだったのだろう。現地の普通の住民とのやりとりの様子が面白かった。そして観光の国としては日本よりもずっと歴史のある国だけに、当時、既に険しい山深いところまで交通機関が発達している様子には驚かされた。もう一度、スイスのアルプスを巡ってみたいと強く思った。2021/02/15

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