内容説明
銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが…。疑心暗鬼から自滅していく男を描く『共犯者』。妻の病気、借金、愛人とのもめごと、仕事の失敗―たび重なる欲求不満と緊張の連続が生み出す衝撃的な殺意を捉えた『発作』。ほかに、『恐喝者』『愛と空白の共謀』など全10編を収める。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909‐1992。小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。’58年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chantal(シャンタール)
97
先日読んだ「松本清張ファンブック」でMJを始め多くの著名人が絶賛していた短編集「共犯者」、ずいぶん前から積読の山にあったよなあ・・と早速取り出して読んだ。清張先生、やっぱり面白い!清張先生の短編って、100%結末ははっきりしてるんだけど、でも具体的には書いてないと言う面白さがある。この短編集は殺人事件ばかりでなく、バラエティに富んだ内容が多く楽しく読めた。「家政婦は見た」の第一作は清張先生の原作だったらしいが、ここにもそれを彷彿とさせる作品「典雅な姉弟」などもあり、飽きさせない短編集だった。2020/09/19
涼
74
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/08/post-de0f69.html 表紙の絵が、何だかとてもかっこよかったです。該当する話はなかったような……。2022/08/06
ナキウサギ
46
短編集でも、、一作一作が濃い! 幅広い知識、巧みな小説技法から、初めの一行目だけて、あっという間にひきこまれてしまう。生と死が過去と現在のキツイ、またはフツウの日常に絡みついて恐怖と不安をあおる。最初の『共犯者』、最後の2作が強烈に印象に残った。2020/07/23
KEI
35
短編集。どれも面白かったが、「潜在光景」が一番印象に残る。所々ホラー小説かという短編もあり心が晴れるものではないが、たまにはこんな落ち込むものでも読んでデトックスするのもいい。へんな感想ですいません。2022/09/07
しげき
28
松本清張の短編小説。これは大人の童話です。2023/02/28