出版社内容情報
ビックリ箱作りのアイデアマン黒田一郎は、犯罪批評を趣味とする教養高き紳士。ふとした気まぐれから自ら完全犯罪を計画し仏像窃盗に乗り出すが、はからずも神主、未亡人、セールス・ガールをめぐって、てんやわんやの大騒動がまき起る……。ショートショートの第一人者星新一が、傑出したギャグと警句をふんだんにもり込んだ、スマートでユーモアにみちた長編コメディーの傑作。
目次
序曲
悪日
ある神学
手帳
電話
アンテナ
二十万円
賭け
友引
紙屑
作品
決算期
文庫改版でのあとがき
解説 奥野健男
内容説明
ビックリ箱作りのアイデアマン黒田一郎は、犯罪批評を趣味とする教養高き紳士。ふとした気まぐれから自ら完全犯罪を計画し仏像窃盗に乗り出すが、はからずも神主、未亡人、セールス・ガールをめぐって、てんやわんやの大騒動がまき起る…。ショートショートの第一人者星新一が、傑出したギャグと警句をふんだんにもり込んだ、スマートでユーモアにみちた長編コメディーの傑作。
著者等紹介
星新一[ホシシンイチ]
1926‐1997。東京生れ。東京大学農学部卒。1957(昭和32)年、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショートショートという分野を開拓した。1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者。SF以外にも父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学などを執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
54
星さんのこの分野にしては珍しい長編ものです。最近このようなユーモア的な小説が少なくなってきて希少価値があるのではないかと思いました。読んでいても方も張らずに気楽な感じで読めます。星さんの人柄がまさしくあらわれているような小説でした。2014/12/01
優希
49
傑作コメディと言えますね。てんやわんやの大騒動に笑わずにいられませんでした。長編も面白いとは流石です。2021/07/17
しゅわ
48
勝手に星さん再読祭り第24弾。ショートショートの神様にはめずらしくユーモア溢れる長編コメディ…しかもSFとは関係ない普通の現代劇です。犯罪批評を趣味としているビックリ箱作りのアイデアマンが、ふとした気まぐれから自ら完全犯罪を計画、仏像窃盗を企てます。そこに神主、未亡人、セールス・ガール…と個性的な人物が登場、次々と騒動が巻き起こる…という物語。もともとは新聞連載小説だったそうで、登場人物たちが歯切れの良い会話が痛快。星さんの著作のなかではかなり異色作なので評価はわかれるかもしれませんが、一読の価値アリです2015/02/21
Tetchy
42
星新一作品では数少ない長編。でもまあ、読まなくてもよいかと。2008/08/30
トムトム
29
登場人物の気まぐれ、行き当たりばったりの行動が予想もしなかった結末になっていくお話。全く先の読めない作品でした。なお、星新一さんが計算しつくした登場人物の行き当たりばったり。なぜそんな事を思いつけるの!?面白いというか、感心してしまいました。2021/01/11