新潮文庫<br> 魔羅節

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新潮文庫
魔羅節

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101064215
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

それは百年ほど前の、岡山でのこと。腐臭たちこめる茅屋に、行き場のない者たちが吹き溜まり、夜昼なくまぐわい続ける、禍々しい世界。男と女はもちろん、人とけだものから、死者と生者まで、相手かまわぬ嬲り合いの果て、幻想が現実を侵食し、すべては地獄へなだれこむ―。血の巫女・岩井志麻子が、呪力を尽くして甦らせた、蕩けるほど淫靡で、痺れるほど恐ろしい、岡山土俗絵巻。

著者等紹介

岩井志麻子[イワイシマコ]
1964(昭和39)年、岡山生れ。少女小説家としてデビュー後、’99(平成11)年「ぼっけえ、きょうてえ」で日本ホラー小説大賞受賞。翌年、作品集『ぼっけえ、きょうてえ』で山本周五郎賞受賞。2002年『チャイ・コイ』で婦人公論文芸賞、『自由恋愛』で島清恋愛文学賞をそれぞれ受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

★YUKA★

52
8編すべてに凄いタイトルがついています(○_○)本編はもちろん面白かったのですが、久世光彦による、岩井さんを娘に例えた短編小説の様なあとがきが秀逸でした。久世さんによって書かれた『品のない分、切なかった。開き直っているだけに、可憐でもあった。』まさにこの一冊を表した一文だと思います。2016/01/10

姉勤

41
初読、岩井志麻子作品。著者を知ったのは、東京ローカル番組「5時に夢中!」の曜日コメンテーターとして。放送コードぎりぎり(否、アウト)の下ネタ満載のコメントをする、ケッタイなオバハン…ならば、最もエグそうなモノをと本書を手に。いや、お見それしました。表題を含む、8つの短編の題自体が伏せ字の、それぞれが明治とおぼしき岡山を舞台にした、幸福とは縁遠い、女、そして男の悲話と秘話。腥き、汚穢に塗れてのまぐわい話。それでいて上品さを何故か感じつつ、作品世界に浸かりました。2014/07/23

Mina

34
明治、岡山が舞台の怪奇的で淫靡な物語8編。家畜のように扱われ温もりを知らない少女が、やがて体を売り、終いには死人と添い寝することで安らぎを得るようになる『淫売監獄』、村の男たちに犯され雨乞いの生け贄にされた青年の『魔羅節』。貧困の中での生と性が淫猥に描かれ、地を這うような 切ない話の数々でした。寓話のような話もあり、実際に起こっていたのではないかとも思わせるような話もありました。結構衝撃的…。2014/08/12

メタボン

32
☆☆☆☆ 土俗的主題に淫猥さとホラーの要素を散りばめた作品集。岩井節満載。蛇と精液の描写が生々しい「乞食柱」。男女郎千吉の哀れさ「魔羅節」。女たちの壮絶な洞窟「きちがい日和」。正気と狂気のスイッチ「おめこ電球」。まさしく獣の交わり「金玉娘」。残虐極まりない「支那艶情」。死体との添い寝「淫売監獄」。亡妻の面影がいつまでも残る「片輪車」。2017/09/30

nakanaka

23
「乞食柱」「魔羅節」「きちがい日和」「おめこ電球」「金玉娘」「支那艶情」「淫売監獄」「片輪車」 びっくりするような題名のものが幾つかあります。 手元に置いていたこの本を嫁が軽く目を通すなり「気持ち悪い!」と貶していましたが、私は必ずしもそのような感想ではありませんでした。確かに気持ち悪いと敬遠されそうな内容のものありますが世界観が独特でグイグイと引き込まれました。内容的に童話なわけはありませんが、それに似たような幻想的な世界でした。 岩井志麻子というと下品なイメージでしたが良い意味で裏切られました。2015/09/02

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