出版社内容情報
時代・世代を越えて、誰もがラストで涙する、これを純愛と呼ぶのだ。
政夫と民子は仲の良いいとこ同士だが、政夫が十五、民子が十七の頃には、互いの心に清純な恋が芽生えていた。しかし民子が年上であるために、ふたりの思いは遂げられず、政夫は町の中学へ、民子は強いられ嫁いでいく。数年後、帰省した政夫は、愛しい人が自分の写真と手紙を胸に死んでいったと知る。野菊繁る墓前にくずおれる政夫……。涙なしには読めない「野菊の墓」、ほか三作を収録。
内容説明
十五歳の政夫と二つ年上の従姉民子との間に芽ばえた幼い清純な恋は、世間体を気にする大人たちのために隔てられ、少年は町の中学に行き、少女は心ならずも他に嫁いで間もなく病死してしまう。江戸川の矢切の渡し付近の静かな田園を舞台に、純真、可憐な恋物語として多くの読者の共感をさそい続ける『野菊の墓』、その原形とも考えられる『守の家』、心理小説風な『浜菊』、他に『姪子』を収める。
著者等紹介
伊藤左千夫[イトウサチオ]
1864‐1913。千葉県生れ。歌人、小説家。1885(明治18)年上京し牛乳牧舎で働いたのち、牛乳搾取業を開業する。30歳の頃から『万葉集』に親しみ、歌会などに出席。1990年正岡子規を訪ねその門人となる。子規の没後、歌誌「馬酔木」を創刊。編集、作歌、『万葉集』研究に全力を尽くす一方、斎藤茂吉など優れた門下生を養成した。また、子規の写生文の影響を受け、’06年小説『野菊の墓』、’08年『春の潮』等を発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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