内容説明
両親の反対を押し切り、僕が初めて北極の地を踏んだのは17歳のときだった。以来、足かけ20年、12回にわたる北極行き。アザラシを撃ち、マスを釣り、そこに住む人々の生活に触れた。カヤックと犬ゾリを操り、氷の海と白い大地を駆け回った。北極が僕の故郷、北極が僕の学校だった。…森の中で暮らし、人間と自然の関わりを訴えるナチュラリストC・W・ニコルの原点を示す北極滞在記。
目次
イヌイットとの出会い
ある無名の船乗りの墓
初めての単独飛行
晩秋のデボン島
グレートベア湖で〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のしのし
1
なかなか探検の描写が細かくて面白かった。後半は北極探検の話よりも役人になってからの活躍?が書き連ねられていて想像していたのと違った。最後の方は嘆きつつ自慢をいれてくる感じであまり好きになれなかった。2014/06/12
ドナルド@灯れ松明の火
1
【後日追記】17歳の時に初めて北極に行ってから、カナダ政府の役人になるまでのカナダ北極圏での厳しくも楽しかった大自然と共存。そしてどんどん開発され荒れて行く自然と人間の心を描いた名品。 ※広島長崎原爆の原料であるウラニウムは、カナダ グレートベア湖ポートレイディアムから船で運ばれていたことが明記されていてビックリした。 2008/07/20
神戸
1
昔ホーキンスの宣伝をしていたおっさんの本として気軽に読んだ。17歳のときに北極のイヌイットの生活を切望したが、その後技官として北極と関わり続けているうちに憧れていたイヌイットたちは、石油開発などの社会の軋轢の中で自然との関わり方を忘れ、社会ごと腐って行くという現実を目の当たりにし続け、彼が37歳になったとき、青春は終わったと実感させられてしまう悲しい内容だった。2011/09/03
guanben
0
追悼ニコルさん。若き日の北極での思い出がイキイキと描かれていて、それだけに時代とともに文明のチカラが入りこんでくる北極に対するニコルさんの思いは複雑だ。九死に一生を得る的な話が幾つかサラッと紹介されていて、死も自然のサイクルとして受け入れてる筆者の死生観を見てる気がした。2020/05/13