小学館ライブラリー<br> 「心なおし」はなぜ流行る―不安と幻想の民俗誌

小学館ライブラリー
「心なおし」はなぜ流行る―不安と幻想の民俗誌

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  • サイズ A6判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094600933
  • NDC分類 380.4
  • Cコード C0339

出版社内容情報

占いの流行、新興宗教ブーム、盆暮れの民族大移動、祭りの盛大化…など心なおしを求める都市生活者の胸のうちを民俗学から探る。

不安と幻想に満ちた現代の都市生活は、あまりにも不確かで先行きが不透明である。精神的に不健康な状態が累積していくことは、ケガレの堆積を意味する。民族学的にいうと「ケ」である日常を根底に備えることによって「ハレ」が成り立ち、ケガレが強くなると「ハレ」が高揚する。現代の都市生活における自殺、犯罪、占い、迷信、オカルト、新興宗教などの流行、盆暮れの民族大移動や祭り・イベントの盛大化現象…。それは日々の暮らしでケガレを堆積させた都市住民が、心の不安を解消しようと「ハレ」を求めて行う都市のフォークロアである。 都市の民俗を観察しつづけてきた著者は、不安の中で心の活性化をめざす現代「心なおし」の真実をさぐっていく。寅さん映画や流行歌の世界を例に、都市住民の精神状況の心意は「ふるさと」にあるとした「夢と現実のはざま」、棄郷した都市住民の疑似「ふるさと」志向の原点をとらえた「都市生活者の原風景」、日系移民と都市住民の心をオーバーラップさせた「ふるさと観の行方」、さらに不安と幻想の中で自らを活性化させようとする現代のフォークロアを「現代都市社会の再生を求めて」で論じる。

内容説明

現代都市に生活する人々は、人間的つながりを失った不確かな関係の中で生きている。本書はいろいろな現象や都市民の「ふるさと」観などを考察し、心のよりどころをさぐったものである。

目次

1 夢と現実のはざま
2 都市生活者の原風景
3 「ふるさと」観のゆくえ―日系移民に探る
4 現代都市社会の再生を求めて