内容説明
死後パリに舞い戻ったピアニストのマックスを待つ運命とは?ゴンクール賞作家エシュノーズが描く現代の「来世図」。
著者等紹介
エシュノーズ,ジャン[エシュノーズ,ジャン][Echenoz,Jean]
1947年、南仏オランジュに生まれる。パリ在住。’79年『グリニッジ子午線』でデビュー。’83年の第2作『チェロキー』でメディシス賞受賞。’99年『ぼくは行くよ』でゴンクール賞受賞
谷昌親[タニマサチカ]
1955年東京生まれ。パリ第三大学博士課程修了、文学博士。早稲田大学教授。フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
5
エシュノーズがこんな小説書くんだ、とちょっとした驚き。ファンタジーやおとぎ話を思わせるようなぶっとんだストーリー設定ながら、細部の記述はどんよりと。一般受けもするし、読んでて楽しい。「生きる」という作業を繰り返すだけの機械と化しているよう現代社会を風刺してるとか見てもいいだろうし、生という大仰なものをとっても軽いものへと転換してるところに面白さをみてもいい。映画化しやすい点も現代の小説としては魅力でしょうね。2012/04/30
Figaro
2
「ラヴェル」に感動して、本作を読んでみたけど、本作は、あまり印象に残らなかった。「ラヴェルと」同じ作家とは思えない筆致でつづる、あるピアニストの物語。ピアニストとしての「華の都・パリ」と事故後、整形し、名前まで変えて味わった底辺の生活。両者は両極端であるようだが、実は、対極にあるものではなく、「ピアノ」という媒体を通じて、パリの生活の虚構を浮かび上がらせる手法には感心した。2009/06/18
メルセ・ひすい
0
8-04 赤21 万人向け・・? 緻密・・? コンサート前は極度に精神をきたし、アルコール依存・・・ 演奏中の天才・・とはマッタクの別人格 醜態のオンパレード・・ 暴漢に襲われて死ぬ。・・死後の世界?? ・・持っていた社会的属性が パーから再スタート・・・ です。ピアニストのマックスには生涯追い求める女性がいたが、強盗に刺され絶命。死後、別人となってパリに舞い戻った彼を待つ運命とは? 先の読めない展開、絶妙な語り口で魅了する、ゴンクール賞作家が描く現代の「来世図」。 2006/11/28