内容説明
16歳の高校生のぼくは医学部志望。母親の過保護で息がつまりそうだ。父は子供のことがまるでわかっていないのに父親役を演じ、ぼくは父のことなどまるで知らないのに子供役を演じてる。IQ157の兄は突然に登校拒否と家庭内暴力に走り、その後は家族を避けてガレージに閉じ籠った。そんな家に帰りたくないと思うが、ぼくは利口だから決して反抗はしない。クロス・ロードにたたずみぼくは迷う。いったいどの道を進めばいいのか?微妙にゆれうごく少年の心をユーモラスに文学性豊かに浮き彫りにする新しい作家の登場。第11回すばる文学賞受賞作。