虚言少年

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 427p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087714074
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

嘘吐きが語る、青春知らずの小学生生活!
怪獣やドリフが人気だった昭和のあのころ。オヤジ臭く小太りな少年・内本健吾を中心に、甘酸っぱい初恋も美しい思い出もないが楽しくないわけでもない「普通」の日々を送る小学生たちを描く7編。

内容説明

僕は、まあやる気のない、モテない、冴えない子供だ。かといって憤懣やるかたないわけでもなく鬱々と陰に篭っているわけでもなく、人気者でもなければイジメっ子でもなく嫌われ者でもなければイジメられっ子でもない。毎日がそこそこ楽しくて、そこそこ幸福であり、なのにそれを自覚していないことが多いので不平不満を垂れたりして、面白ければ笑うし悲しければ泣くし好きなことはやりたいし嫌いなことはやりたくなくて、学校も好きでも嫌いでもないという、まあべたっとしたどうでもいい子供なのである。ただ、まあ特徴を一つ挙げるなら。僕は―嘘吐きなのだ。

著者等紹介

京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年生まれ。小説家、意匠家。世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員。全日本妖怪推進委員会肝煎。関東水木会会員。「怪談之怪」発起人。古典遊戯研究会紙舞会員。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞長編部門、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろんこ*勉強のため休止中

275
嘘つきの少年のモノローグで始まるのだが、とにかくそれが長い!モテや青春論について、理屈っぽく延々と語る様は子供の弁舌ではない。飲み屋の酔ったおっさんそのもの。そんなひねこびた少年と、坊ちゃんで人がいい誉、作者をモデルにしたと思われる京野龍彦。ほとんどこの3人の会話で進むのだが、たわいもない話をよくもここまでふくらませたなあ!文章のリズムが良いので飽きることはなかった。3人ともオタクで、なんかずれてる。行動の基準が”オモシロい”かどうか。時々ツボにはまって吹いた。真顔でしれっと冗談って感じだ。3人に幸あれ!2014/10/22

勇波

138
『オジいサン』と対をなす作品かと思いきや全く違うお話でした。天才馬鹿一味の物語です。そーです。皆さん、一味ですよ、一味!京極ファンであるならこの意味はもちろん理解できますよね。最後の「屁の大事件」における一味の連携はかの探偵一味を凌ぐ大技炸裂です。この秘密結社の奴らがそのまま大人になってくれてればこの生きにくい世の中も少しは救われただろうに★2016/03/20

文庫フリーク@灯れ松明の火

119
『ペンギンハイウェイ』が森見さんの小学生時代なら、これは京極さんの小学生時代が基でしょうか。《京極登美彦》では無いよね?ペンギンのアオヤマ君が素直な良い子に見えてしまう位、平凡装ってやたらと面倒な虚言(たわごと)少年ケンゴ君+友2人。『馬鹿の神に仕え馬鹿を信奉し馬鹿にひれ伏し馬鹿を味わい馬鹿を愉しむ』馬鹿を阿呆神さまに差し替えたら森見さんですわい。朱川湊人さん的昭和ノスタルジアネタ。MK(メタクソ)団とか、弱いな私。爆笑2失笑3うなだれ笑い5の割合でした。三万メートルに不覚の爆笑。2011/08/12

PSV

105
虚言、虚言…。なんだこの夏彦小説。面白いか面白くないかの二元的な評価を下せない、かといって、つまらないと切り捨てることもできず、でも大手を振って迎合も出来ず、意味不明と断ずるのも何だか悔しいので、面白かったふりをするけどやっぱり意味不明で、だからいわゆる夏彦小説。  ★★★☆☆  笑いのツボが、合えば傑作だと思う。2012/08/20

財布にジャック

99
バカらしくて、くだらなくて、一体全体どういう感想を書けば良いのか困っちゃいました!京極さんに、あの京極さんにゲラゲラ笑わされるとは、全く予想をしていなかったので、不思議な気分です。虚言少年なんて題なので、どんなに嫌な少年が出てくるのかと構えていたら、健吾君は、考えていたような悪い少年ではなくて、読んでいて微笑ましくなりました。でも、やっぱり京極さんには、京極さんらしいミステリーやホラーを次こそは書いていただきたいです。2011/09/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3401979
  • ご注意事項