内容説明
インド人は老若男女、朝晩カレーを食べているのだろうか?カースト制度は今もなお生きているのか?なぜターバンをまくのか、そして女性はサリーしか着ないというけどホントか?以上の3大?の真相を求めてシーナ部隊はインドに飛んだ。静寂と喧騒の渦巻く混沌の国を半径3メートルの実感で進む面白リアリズムの人間紀行。カラーたっぷり文庫。
目次
はたしてインド人は空中3メートルを浮揚するか
ボンベイふらふら出たとこ勝負
じわじわとインドの熱気が迫ってきた
ク・フフフと富豪のヨガ先生は右頬で笑った
サリーの秘密はインドの秘密なのだ
カルカッタの逆上プロレスヨガは目玉で勝負した
インドの野良牛も地べたにころんで瞑想する
ガンガーの赤い叫びが川面を裂いた
死者たちのよろこびをのせてガンガーは今日も流れる
あやしのワイセツ村カジュラホーでまんまる男がふふふと笑う
愛と疑問のタージ・マハルにインドの赤い夕陽がおちる
5千人のメカケをかこうインドの王にわしらは怒る
さらばデリー さらば不可思議の巨大三角国家よ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
79
⭐️⭐️⭐️⭐️本年14冊目。椎名さんも通算14冊目。久々の椎名さん20年ぐらい振りだと思います。35年くらい前の本なので写真の椎名さんが見事に若い。時間が経っていますが、題材がインドなので全く違和感なく愉しめる作品でした。2020/03/14
takaC
73
ムンバイがボンベイ、チェナイがマドラスと呼ばれていた頃に椎名誠がインドに行って書いた話だが、記事も写真も何ら古めかしさを感じさせない。対象がインド故にそれも納得。ちなみに本棚の奥から出てきた、結婚前の彼女が買った本('93/5/17第25刷)。まさか10数年後に自分が実際にインドで暮らすことがあるなどとは思いもせずに買ったんだろうけどね。(笑)2013/04/30
ばりぼー
55
三十年ぶりの再読。目的地のない行き当たりばったりの旅だと思い込んでいましたが、インド政府観光局のプログラムに沿って、最高級ホテルに泊まり日本語のできるガイド付きという至れり尽くせりでした。シーナ氏の興味は、①インド人は朝から晩までカレーばかり食べているのか?②カースト制度はまだ本当に生きているのか?③インドの女性はサリーしか着ないのか?の3点を調べること+空中浮揚するヨガ行者を見つけること。哲学的な思索とは全く無縁ですが、余計な御託を並べずに「半径三メートルの実感」を綴っているのが潔くて良いと思います。2014/09/17
金吾
36
インドの暑さ、混沌、美、宗教等のイメージが高まります。ガンガーの話は興味深いものですし、牛の扱いは笑えました。2022/08/17
mukimi
32
おもしろい!図書館で静かに読んだが笑いを噛み殺すのに一苦労した。三月、卒業旅行でインドに行く。誰かの『人生観がかわる』という言葉だったり旅行記だったりに影響されたミーハーな気持ちが根底にあることは否定できなくて自分青臭いなーと冷笑するもう一人の自分が時々顔を出す。ただやはり私の好奇心はインドを生で感じないと満足しない!ということをこの本を読んで再確認。『徹底的にヤル気とガッツに満ちた、パワーとファイトとスタミナと殺し技と燃える闘魂のような都市』というフレーズに胸が高鳴ってわくわくが抑えられない。2014/12/26