内容説明
「里菜ちゃんへ 今日も元気ですか?あなたは、虫の気持ちになったことがありますか?」生命科学者・柳澤桂子が、愛について、いのちの始まりについて、宇宙の誕生について、死や性について、詩情豊かな言葉で孫に語りかける。「自然の不思議」に驚く力、感受性がなければ科学する心は育たない。これは「孫への手紙」という形をとりつつ、すべての人々に送るメッセージである。
目次
1 いのちはうたう
2 いのち華やぐ
3 いのちはめぐる
著者等紹介
柳澤桂子[ヤナギサワケイコ]
1938年生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。コロンビア大学大学院修了。慶應義塾大学医学部を経て三菱化成生命科学研究所主任研究員。69年、原因不明の難病を発病。退職後、病床から啓蒙の書を発信し、多くの賞を受賞。主な著書に『卵が私になるまで』(第10回講談社出版文化賞科学出版賞)、『二重らせんの私』(第44回日本エッセイスト・クラブ賞)など。お茶の水女子大学名誉博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
62
この本自体、愛おしくなりました。この先ずっと大切にします。「人類みな兄弟」という人口に膾炙したフレーズ(古いかな?)がありますが、人類どころか鳥も魚も獣も昆虫も、みな兄弟姉妹と思えてきます。ただし、人類には他の生き物とは大きな違いがあります。他の動物たちは、「生活力のあるものだけが生き残り、子孫を増やします。」そして「弱いものや食べ物をとるのが下手なものは、淘汰されて」しまいます。しかし、「人間は弱い人たちにも救いの手をさしのべるので、弱い人たちも生きのびることができます。」2023/02/11
リズ
17
何度か読んだ。自然は美しい。 2021/07/14
えぬ
4
生命科学者の著者が孫に贈る手紙という形で生物のお話をしてくれます、読みやすく心に響きます。中学生くらいに読みたい本かな。2019/11/22
kasumi
3
生命科学研究者(お茶の水女子大学名誉博士)のおばあちゃんから、孫へ書いたお手紙の中に、生物の歴史・進化と不思議が伝えられている。所々に詩が引用されて、理系の話のようで文学的で、季節感があって…自分の中では空を飛んだり海の中を泳いだり自然の中で歌を聴いてるような感覚がある本だった。著者が難病にかかられていることもあるのか命の繋がりの尊さも伝わる2020/11/06
miri
3
なんだか難しい生命の話が、孫に向けて手紙を書いた構成なだけあって愛情たっぷりな雰囲気に。一生の宝物になるんだろうな、羨ましい。難しい内容も調べながら何度も読むうちに理解が深まるように心掛けたい。そして、解明されていないことが、まだまだ沢山あるんですね。2020/04/16