集英社新書
ローマの泉の物語

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  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202557
  • NDC分類 518.1
  • Cコード C0222

内容説明

ローマは泉の町である。トレーヴィの泉や四大河の泉などは、多くの観光客を集めてにぎわっている。そもそもローマには二〇〇〇以上の泉があるといわれているが、その起源は古代ローマ時代、水道の終着点に記念碑として造られた壮大な泉にある。その伝統を踏まえ、近世以降、美しい彫刻とあふれ出る水が一体化した華麗な泉が数多く造られた。古代ローマから教皇の時代、ルネサンスを経て現代にいたる都市の栄枯盛衰は、そのままローマの泉の物語と重なる。英雄が吼え、女神が微笑み、精霊が語るローマの歴史と芸術。泉を訪ね、泉の深層を幻視すれば、もうひとつのローマが見えてくる。

目次

第1章 古代と中世の泉
第2章 ルネサンスの教皇たち、そして都市・泉の再生
第3章 泉の建築家デッラ・ポルタと「亀の泉」
第4章 教皇の権威を示す二つの水道・二つの泉
第5章 バロックの巨匠ベルニーニの泉
第6章 泉の中によみがえる古代
第7章 泉にまつわる人々
第8章 トレーヴィの泉
第9章 二〇世紀の泉
第10章 最後の泉の建築家

著者等紹介

竹山博英[タケヤマヒロヒデ]
1948年東京都生まれ。立命館大学文学部教授。東京外国語大学でイタリア語を学び、ローマ大学でイタリア現代文学と民俗学を学ぶ。留学中に現地調査の面白さを知り、祝祭や葬送儀礼の調査を行う。その後、中世から現代に至る民衆の文化、宗教建造物、組織犯罪などの調査と文献研究を行っている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chang_ume

5
市内に点在する「泉」の紹介と解釈を通じた、都市ローマの通史理解。古代から近代に至る都市変遷が、泉に定点を置いた検討によって再整理された印象です。ひとつの都市史として読みやすく、わかりやすい。とりわけ、水道終着点に置かれた記念碑的泉「モストラ」(トレヴィの泉、モーゼの泉などが有名)の紹介は、それぞれの建設経緯が施主となった教皇ごとに特徴的なこともあって、ローマの都市形成にあたって示標となることがよくわかった。泉(水道)の公共性をめぐる、アレゴリーを含んだ美的表現や、教皇と住民生活の関係についても。2020/01/05

shou

3
前にローマの街を散策したとき、行く先々の街角に泉があって、泉から泉へと歩いているようだった。ベルニーニの作品はゆっくり鑑賞したけど、先にこの本を読んでいれば他の泉ももっと楽しめただろうなあ。2017/04/19

ぴよぴよーーーーー

2
ずっと探してきたような本に出会えた。噴水好きではあるが、日本の多くのそれのようにただ水を噴出するだけのものに飽き、西洋式の噴水を巡っていた私にとって理想の本だった。本書では泉を細部まで詳しく解説するだけでなく、それぞれの役割、時代背景などローマに溢れる「泉」という1つの歴史について記してある。写真も様々な角度から撮られたものが掲載されており、泉の研究をしたいという気持ちがさらに掻き立てられた。2014/05/01

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