集英社新書
戦国の山城をゆく―信長や秀吉に滅ぼされた世界

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202373
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C0221

内容説明

古来、家臣や領民を避難させるシェルターとしての役割をになっていた山城は、地域の人々の団結のシンボルであり、心の拠り所であった。ところが、鉄砲の伝来と織田信長の登場によって、山城は次々と攻め落とされていった。それは、山城を拠点としていた人々の団結と自由が奪われ、中央の権力に従属を強いられていく過程にほかならない―。歴史小説家の安部龍太郎氏が各地の山城を精力的に取材し、スケールの大きな独自の史観をもって戦国時代の大転換期を浮き彫りにした、本格的な歴史紀行文。

目次

山城破壊者・信長の出発点(岐阜城)
悲運に泣いた信長の叔母(岩村城)
琵琶湖東岸の大要塞(観音寺城・安土城)
朝倉どのの夢の跡(越前一乗谷城)
激戦に散った夫婦愛(小谷城)
焼討ちされた中世のシンボル(比叡山延暦寺)
松永久秀覚悟の自爆(信貴山城)
雑賀鉄砲衆の拠点(弥勒寺山城)
光秀の母は殺されたか(丹波八上城)
三木の干殺し(播州三木城)
畿内をのぞむ水軍の城(洲本城)
中世の自由と山城の終焉(紀州根来寺)

著者等紹介

安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。国立久留米高専卒業後、小説家を志し上京。図書館勤務のかたわら同人誌に作品を発表。89年から一年間「週刊新潮」で「日本史 血の年表」(刊行時『血の日本史』に改題)を連載、衝撃的なデビューを果たした
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

73
岐阜城、岩村城、観音寺城などなど戦国時代の山城をめぐる旅。ほぼ全ての城が信長や秀吉により滅ぼされています。開発によって往時を偲べない所もありましたが、城の威容がわかると、これらの城を破却した信長、秀吉の力をより実感します。一度は訪れてみたいと思う場所ばかりでした。2019/02/08

金吾

14
近畿の山城を著者が実際に行って書いた本であり、簡単な縄張りが記載されているため、行ったことがある城は記憶を呼び覚ましてもらい懐かしかったです。三木城は行ったことがないので訪れたい場所です。2020/08/21

キムチ27

13
お~♡安部さんではないですかという事で借りる。 戦国時代が面白く、まして大半が何度も訪れた城(かつて城フェチだったので) 等伯は今一だるかったが、こちらの方が得意ではと思うほどに安部氏はなかなかの探訪記。グルメコメントもあり、豚モツ煮込み、山菜料理と和歌山ラーメンの文に唾を飲む。 案外の健脚は意外。観音寺城、一乗寺谷城、信貴山城、三木城はヒィハァ登った想い出があるので懐かしく・・紀州根来寺はお隣さん、散歩コースなので親しみを持ちあっという間に読み終え。 戦国実情にかかる信長の存在はクラウド。 海民型ねぇ2013/09/09

メタボン

8
☆☆☆ 岐阜城はロープウェーがあるので楽だが、他の山城はどこもなかなか簡単に行ける場所ではないと思う。城の配置が一番興味深かったのは小谷城。あんな山の上の細長い尾根上に位置するとは。秀吉の作戦により浅井久政と長政を分断するというのも、さもありなんと思わされた。本当かどうか知らないが、銘器平蜘蛛の釜を抱いて爆死した松永久秀もすさまじい。他にも根来で鉄砲を作っていなかったのかと著者が推論をめぐらすのも面白かった。2014/07/30

k_jizo

6
★★なぜ読もうと思ったかきっかけは忘れたが、割合マイナーな畿内の信長・秀吉に滅ぼされた山城を探索したエッセー。タイムリーに村上海賊、大河黒田官兵衛などがあり割と注目が集まる時期だったので興味深かった。 あとがきにもあるが海運を握ったものが天下をとる視点が江戸時代の史学者には(鎖国であるがゆえに)欠落したという考え方が新しかった。2014/02/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2472
  • ご注意事項