内容説明
「非国民」「鬼畜米英」に代表される排除と憎悪の戦時下日本で、「ことなった体験」をした人たちがいる。偶然にも当時の日本に暮らすことになったドイツ人たちだ。貿易商、教師、留学生や兵士として、遠い日本で体験した彼らの日常生活は、ほとんど記録に残っていない。どのように暮らしていたのだろう。日本の戦争、戦時下の生活をどう見ていたのだろう。大物スパイ・ゾルゲの素顔やヒトラー・ユーゲントの来日で沸く軽井沢など、意外なエピソードを豊富に紹介しながら、戦争という歴史的大事件とは切り離せない大小の日常的事件を、24人のドイツ人が、おおらかに、そして真摯に語る。本書は、「記憶の風化」という時間との戦いのなかで集めた、歴史的に貴重な極限状況の証言集である。
目次
第1章 日本に暮らしたドイツ人―その素顔(どれくらいドイツ人がいたのか;日本で何をしていたのか;華々しき貿易商たち ほか)
第2章 戦時下の暮らし(ドイツ人社会;「食」;「衣」と「住」 ほか)
第3章 歴史を体験する(日中戦争(一九三七~四一年)
ドイツの戦争
日本でのナチスの活動 ほか)
著者等紹介
上田浩二[ウエダコウジ]
1947年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院修士課程修了。ベルリン、ウィーンに留学後、早稲田大学教授を経て、93年より筑波大学教授(異文化交流論)。また、ドイツ語通訳者・翻訳者の育成に尽力。この関連の著書、訳書など多数
荒井訓[アライサトシ]
1954年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院博士後期課程単位取得満期退学。東北大学助教授を経て、98年より早稲田大学助教授。東北大学在任中の93~96年、国際交流基金専門調査員としてケルン日本文化会館に出張勤務
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感想・レビュー
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James Hayashi
tsubomi
Ted
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