内容説明
地球上のすべての場所からまっすぐ南へ―。赤道を越え、南回帰線を越え、暴風圏のなかに潜む“海の断崖”を越えると、その先に極限の海、南極海が広がっている。先人たちが冒険のロマンを競った海であり、過酷だが清浄な野生が息づく、いのち豊かな場である。だが、海洋生物資源研究者として南極海の最前線で調査を続けてきた著者は、自然と生物のシステムの間に現われる様々な変化・振動から、地球規模の異変を感じ取らざるを得ない。高空から海の底まで、それは静かに広がっているようにみえるのだが…。現場からの手応えあるレポート。
目次
第1章 大暴風圏を越えて(南極へのゲートウェイ;野生の海へ)
第2章 南極海の周極模様とゆらぎ(バームクーヘン模様;ゆらぎが海を耕す)
第3章 環境の崩壊(地球温暖化の影響;オゾン層破壊の影響)
第4章 極限の海へ
著者等紹介
永延幹男[ナガノブミキオ]
1951年福岡県生まれ。独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所・南大洋生物資源研究室長。東京水産大学卒業、東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。農学博士。大学時代の地球探検旅行を経て南極海の研究者に。90年以降、南極海洋生物資源保存条約・科学委員会に参画、同副議長・各運営委員を歴任し、国際共同調査研究に従事
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