集英社新書
中華思想と現代中国

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087201642
  • NDC分類 312.22
  • Cコード C0231

内容説明

世界的に巨大な存在になりつつある中華人民共和国。しかし、政治・経済など、表面的な改革・変化を見る限りでは、具体的な国家の姿はきわめて理解が困難であった。本書では、その“巨大な隣国”の底に流れる伝統思想に着目、独自の近代化路線をわかりやすく解説しながら、これからの政治・外交政策を展望する。今もなお厳として生き続ける伝統思想を理解することで、ベールに包まれてきた感のある近代中国のこれまで、そして向かう先が見えてくる。

目次

1 民主について―「人治」主義は克服したか(「政は正なり」;徳治の再登場 ほか)
2 自由について―人権は無視されて良いのか(新しい人権白書;経済的豊かさの強調 ほか)
3 自立について―弱者の戦略としての「以夷制夷」戦略(「以夷制夷」戦略とは何か;李鴻章の苦悩 ほか)
4 統一について―「大一統」は崩れないか(「大一統」とは何か;「大一統」の歴史 ほか)
5 日中関係について―歴史認識の違いが物語るもの(日中のトゲとなる台湾問題と歴史認識;日本人の台湾観 ほか)

著者等紹介

横山宏章[ヨコヤマヒロアキ]
1944年、山口県生まれ。一橋大学法学部卒業。法学博士。明治学院大学法学部教授を経て、県立長崎シーボルト大学国際情報学部教授。中国政治・外交史専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

27
石平氏の本にも同様のことが書いてあるが、2000年初頭に既に中華思想と現代中国の深いつながりを新書で出しているとは想像もしなかった。中国を好意的にまたは、批判的に見ている人双方、果たして中国のことをどれだけ理解できているだろうか?中国の様々な変節にも、中国人ならではの理屈があって、しかもそれは、西洋とも日本とも違い、興味深かった。2016/11/16

おらひらお

6
2002年初版。約10年前の新書ですが、現在の行き詰まった日中関係を見越したような筆致にやや驚きです。たしかに日本には普遍性はなく、夜郎自大的になりがちかもしれませんが、いまさら中国が想定するような華夷秩序に収まる事も出来ないですよね。著者が言うような相手を思いやるようなナショナリズムは構築することができるのでしょうか?2014/02/07

Hatann

3
政治社会について、日本人も西洋起源の政治社会論の枠組をもとに理解しがちだ。西洋起源のものにも普遍的なものがありうるが、この枠組から零れ落ちてしまっている要素があることも否定できない。非西洋的な枠組の利用により拾い上げることもあれば、西洋的な枠組の欺瞞を暴くこともある。著者は、中国社会に底流する伝統思想で補遺することで、中国の政治社会を明らかにしようとする。孫文の語る自由論は個人を抑圧するトンデモ論だが、西洋社会における自由・権利も似たようなもの。少なくとも西洋社会にも無制限な自由・権利を認める国はない。2018/12/08

rubeluso

2
中国共産党の行動と思考を伝統的な中華思想の枠組みに当てはめてみるのが前半部。新書ゆえ実証性が不十分なのはしかたがないか。それにしても、十年前に書かれた本にもかかわらず日中関係が著者の予見をほぼそのままたどっているように思えるのは、著者の慧眼か日中双方が成長していないということなのか……。 「中国はこれだからけしからん!」と鼻息荒く読み進めていくとしっぺ返しをくらう構成なのがおもしろかった2014/06/16

samandabadra

1
ちょっと胡散臭いとも思う作品だが、 以前、ある先生に、 基本的に中国の民族政策の観点は共産主義前も後も変わらない といわれたのを思い出した。 2010/01/15

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