内容説明
日本を代表する庭園として海外にも名を馳せている、龍安寺石庭。だが、庭石と白砂のみで構成されたこのユニークな庭を、いつ、誰が、どういう意図で造ったのか、実はそれすら定かではなかった―。石庭の造られた年代については、従来も、一五世紀説~一七世紀説まで様々なものがあり、造った人物の候補もまた幾人も挙げられてきた。ここで著者は、それら先行説を仔細に整理・検討しながら、石庭を巡る三つの大きな謎を推理していく。そして、庭のそこここに込められた技術のルーツへの視点を導入することによって、作庭者の像を大胆に絞りこんでゆく。果たしてその「謎の作庭者」とは。
目次
序章 謎の石庭
第1章 造営年代の解明―江戸作庭説(枯山水とは何か;一四五〇年作庭説への疑問 ほか)
第2章 造形意図の解明―西欧文化影響説(諸説への疑問;借景の庭 ほか)
第3章 作者の解明―遠州作庭説(諸説への疑問;茶人・金森宗和説 ほか)
著者等紹介
宮元健次[ミヤモトケンジ]
1962年生まれ。1987年東京芸術大学大学院美術研究科修了。龍谷大学国際文化学部講師(庭園史・庭園デザイン)
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