内容説明
江戸時代の後半期、正調な文化に対抗する庶民文化が花開いた。俳諧に対しての川柳、和歌に対しての狂歌などがそれである。漢字では「恋句」「艶句」と書くようにエロチックな内容の川柳を「バレ句」といった。『誹風末摘花』が有名だが、バレ句は十八世紀半ばの宝暦年間から明治時代まで130年以上も続く独立した文芸運動だった。性愛へのあくなき追究と憧憬をこめた、江戸庶民によるおおらかなセクソロジー文芸のすべてを、面白く楽しく紹介する。
目次
「バレ」の意味について
川柳作者たちにみる「バレ」の意識
現代人は「バレ」句をどう楽しむか
川柳評万句合勝句刷の末番句について
川柳評万句合勝句刷の末番句鑑賞
五字付け『真似鉄砲』について
見利評万句合勝句刷の艶句について
『誹風末摘花』について
秘稿『最破礼』について
『誹風神の田艸昌湯樽』の「破礼句一題」について〔ほか〕