内容説明
地上波テレビ・ネットワークの熾烈な争い。全国に張り巡らされたケーブルテレビ網や、衛星放送の発展に伴う多チャンネル化。映像ソフト価格の大暴騰。そして、次世代テレビをにらんでのデジタル革命―アメリカでは、巨額の資金をもつメディア・コングロマリットによって、こうした複雑で急速な変化が日々もたらされている。本書は、今まさに動いているアメリカ映像メディアの地殻変動をわかりやすく伝え、日本においても近い将来確実に起こるこの劇的変化の意味を知るための必読の書である。
目次
アメリカ放送人の本音
メディアの基本構造(地上波;ケーブルテレビと衛星放送)
映像メディア戦国時代
暴走する番組価格
文系のためのデジタル入門
アメリカのデジタルテレビ
日本の次世代テレビ
誰がテレビを盗むのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
23
アメリカのテレビ事情がよくわかった(ケーブルテレビが普及している理由もわかった。案外単純な理由だった)。「文系のためのデジタル入門」もわかりやすかった。やはり音楽においてアナログに勝るものはない。2014/11/06
チャーリイ
2
2000年の本なのだが、当時のアメリカの放送業界の現状は、いまの日本の放送業界と重なる。デジタル化とCATVの普及によって、当時のアメリカにおける放送業界の激動のときの環境が、日本でも起きている。もちろん、電波行政の方針などは日米で異なるが、多チャンネル化、デジタル化、インターネットの普及という大きな潮流の中で、マスコミが必死に生き残ろうとしているのは同じだ。 筆者は最後に、TVメディアが生き残るためには、ソフトの良質化しかないとしているが、僕も同感である。いかに良いものを作れるか。そこに尽きる。2013/08/20
Naota_t
0
★3.3 辛坊さんはこういう本を書いていたのが意外。アメリカと日本のケーブルテレビ、衛星放送等のメディア構造の違いが興味深かった。ビジネスの手法もインフラの土台も全然違うのね。しかし、内容は面白いが、今となっては時代錯誤な読物である。当時はやっとPC保有率が約50%になった2000年の話。それから20年のITの進化は凄まじく、現代ではテレビを持たない選択をしている人も多いし、持っていてもテレビ番組を見るため、という目的の人も減ってきている。現に私は最近テレビで「テレビ番組」をほぼ見ていない。面白い時代だ。2019/12/14