内容説明
斉の君主の子・田嬰の美妾青欄は、健やかな男児・田文を出産した。しかし、五月五日生まれは不吉、殺すようにと田嬰は命じる。必死の母青欄が密かに逃がした赤子は、奇しき縁で好漢風洪に育てられる。血風吹きすさぶ戦国時代、人として見事に生きた田文・孟嘗君とその養父の、颯爽たる人生の幕開け。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
88
宮城谷昌光の作品の中では、娯楽性が高い作品で大いに楽しめる。 「鶏鳴狗盗」などの故事でも有名な「孟嘗君」をいきいきと 描写してくれている。私が 宮城谷昌光にはまっていったきっかけとなった作品である。2010/06/12
NAO
77
斉の公室の田嬰は、誕生の日月が不吉だと生まれた男子を殺すよう命じる。そういったことが当然のように行われていた時代。なんとか無事に斉を出るも、この巻は、当時の中国の情勢を語るに終始し、主人公は赤子のまま1巻は終わる。2021/04/05
KAZOO
72
今度は孟嘗君を読んでみようと思いました。全5巻ですが読みやすいものだと感じました。宮城谷さんは、その主人公がいた時代の背景から描こうとしているので、この巻では主人公がまだ幼いままです。昔のエジプトか何かのころを思い起こさせる感じで、養父となる人物がここでは主人公となっています。2015/04/13
とも
57
20年来の積読本。親戚の叔父からもらった本やけど、当時の自分には全く興味が持てず本棚の肥やしになってた。「中国の昔の話なんか興味ないもんねー」って思ってたけど毛嫌いしてたのが馬鹿みたいにスラスラ読めたし面白い。このままの勢いで次っ!2017/04/11
明智紫苑
48
再読。商鞅の野郎、何てダブルスタンダードなんだろう。その女性観、明らかに三国志の某丞相に喧嘩売ってるし(笑)。その某丞相も、陳舜臣さんの某小説で「商鞅は嫌い」と言っていたねぇ。2018/05/07