内容説明
大事故・世界大戦・性暴力。大事件のたびに存在を示唆されたトラウマは、なぜ「発見」が20世紀後半まで遅れたのか?フロイト、フェレンツィらの苦闘からPTSD成立までトラウマ発見の歴史をたどり、同時に、トラウマをつねに否認しようとする社会の「秘められた欲望」を暴く。
目次
第1章 惨事、暴力、解離―トラウマとは何か
第2章 惨事トラウマの発見―それは鉄道事故から始まった
第3章 ヒステリーとトラウマ―フロイトの蹉跌
第4章 第一次世界大戦の衝撃―トラウマ研究の高まり
第5章 空白の時代―フェレンツィの実践
第6章 PTSDの成立―第二次世界大戦後のトラウマ研究
第7章 累積したトラウマをいかに浄化するか―現在から未来へ
著者等紹介
森茂起[モリシゲユキ]
1955年生まれ。京都大学教育学部心理学科卒業、同大学大学院博士課程修了。甲南大学文学部人間科学科教授。専攻は臨床心理学
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