講談社選書メチエ<br> ニーチェ - 〈永劫回帰〉という迷宮

講談社選書メチエ
ニーチェ - 〈永劫回帰〉という迷宮

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581653
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0310

出版社内容情報

【内容紹介】
神を失った人間は、いかにして<世界>と<生>の意味を回復しうるか?<永劫回帰>思想が明かす「世界の鏡」の謎とは?西欧形而上学2500年の彼方を遠望し、出口なき迷宮としての世界を見つめつづけたニーチェ――その極限の思考を、最深部から抉る哲学の冒険。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

13
『ツァラトゥストゥラ』で提示された永劫回帰という考え方に明晰かつ鋭く切り込み、判明にその"迷宮"を解き明かす。とくに『ツァラ...』の番外編として構想されていた第4部についての文学的な読み込みが整理される第3章、永劫回帰思想が、一神教的な"隠れたる神"の否定から、多神教的な神々を経て、世界の外部で"舞踏する""知られざる神々"へと移行していく様を『ツァラ...』本文から豊富に引用し、ニーチェに対して共感的に論じてゆく終章が読みごたえがある。『ツァラ...』をより深く読み解くための格好の手引書だ。オススメ!2019/12/05

タケイ

4
究極的な無価値、等しきものの永劫回帰と、有限の視角から自分の解釈をしようって話。もしかして「自由精神」という言葉は解釈の無限性を言っていたのか? それとも僕の今までの理解通り、永劫回帰を受け入れてしまえばラクになるということを言っているのか? 以下内容メモ 【1章】始源=従来価値のパロディー化(転倒)、すなわち道徳の自己止揚。ニーチェは自身の哲学者人生を「自己批判の試み」『悲劇の誕生』や『ツァラトゥストラ』で"始め続けた"。2022/08/10

代拿邁人☆

1
人生の意味の可能性の条件、をニーチェの永劫回帰から考えるという方向自体が興味深かった。結論にはいまいち論証し切れていない面もあったが、ニーチェを離れて一般にこの問題について考えつつもう一度読み直せると良いかも。近年は英米圏でも人生の意味の哲学が盛んだがそこで取り逃されている超越論的な観点を補うものとしても読めそう。2023/10/02

Bevel

0
ニーチェが用いる象徴をどのように解釈するかということを主に考えているのかな、と思った。「悲劇=パロディー」としてのはじまりと終わり。すべてを受け入れる長耳のロバ(=民衆=神)を引き連れた二人の王様(=権力の複数性)と、「無差別」に対して反対する女、外部の内部、内部の外部、隠れたる神と永劫回帰の紙一重の差。ましな人間たち(ロバ、神を殺す醜い男)とその拒絶、など。2012/10/16

hidehi

0
「永劫回帰(永遠回帰)」というニーチェの思想については、ニーチェの最重要な思想と言われる割には意外とそこに焦点をあてて解説してくれる入門書が見当たらない。(「道徳」とか「ルサンチマン」とかに焦点を当てたものはあるが、それは”最重要”ではない、と思う)この本はその貴重な一冊。”「道徳」の転倒”などといった”皮肉”や”刺激的”な題材に流れるのではなく、「永劫回帰」をきちんと正面から取り上げて、解きほぐしている。ツァラトゥストラの第四部の位置付けについての解説も重要かつ貴重。2021/02/18

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