講談社選書メチエ<br> 現代思想としてのギリシア哲学

講談社選書メチエ
現代思想としてのギリシア哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062581271
  • NDC分類 131
  • Cコード C0310

内容説明

2500年の昔より、「神の死」「二元論の超克」等、極限の思考を重ね続けたギリシア哲学。哲学の祖タレス、逆説の巨人ヘラクレイトス、ポストモダンなソクラテスたちの眼に映じた「究極の真理」とは何か?「ギリシア1000年」の膨大な知を、現代思想の光の中でスパークさせる。

目次

序章 月から落ちてきた眼
第1章 哲学誕生の瞬間―タレス
第2章 逆説の宇宙―ヘラクレイトス
第3章 存在の永遠―パルメニデス
第4章 非知の技法―ソクラテス
第5章 ギリシアの霊性―プラトン
第6章 あたかも最期の日のように―M・アウレリウス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

10
ソクラテスを扱った第4章、プラトンを扱った第5章の筆のノリ具合が常軌を逸していた。著者はP.139〜154にかけてソクラテスが憑かれていたダイモーンについて詳述するが、著者本人もダイモーンに憑かれてこの本を著したのではないかと思わせるバイブスが本書を充たしている。しかし、奇をてらってはおらず、哲学の根本にはつねにこの世界への絶えぬ驚きが溢れていることをきちんと指摘しているので、風変わりだが奇妙ではない読み心地がふしぎだ。P.195〜196にかけてはニーチェとストア哲学の近似性を論じているのも見逃せない。2018/09/08

mstr_kk

8
学生時代にハマった古東哲明さんの、ギリシア哲学本。このところギリシア哲学の入門書を読んでいたので、仕上げのような感覚で読み直しました。15年ぶり。とにかくアツい。「哲学とは、存在神秘に打たれる体験である」という(かなり偏った)立場から、ギリシアの哲学者たちを感動的に語っています。廣川洋一『ソクラテス以前の哲学者』などとはかなり違ったギリシア哲学の光景。その当否は僕にはわかりませんが、読んでいる間は不思議な説得力を感じます。そして、単純なことをいっているのに情報量が多い、不思議な本です。2017/09/30

有沢翔治@文芸同人誌配布中

5
 ギリシア思想、例えばタレス、パルメニデス、ヘラクレイトスなどは数々の哲学者によって言及されている。例えば、ハイデガーは多くのギリシア哲学者に言及しているし、ニーチェも古代ギリシアの哲学について言及している。しかし、再解釈せずとも、そのままで通用するのだと古東哲明は語る。 ただネゲントロピーのくだりなどよくも悪くも「現代思想的」であり科学用語の誤用・曲解がある。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51519881.html2021/07/30

arakan

1
超絶おもしろい!確証バイアスやスキーマといったどうしても避けられない固定的な世界の見方をどのように改変していったらいいのかに、ここ最近、関心を持っていたのだが、「哲学」こそがその方法なのたと気付かされた。哲学とは、知識や世界の真理を習得することではなく、世界の〈存在〉をそれとして経験する方式なのだ。福田恆存や井筒俊彦が言わんとしていることと非常に通じるものがあり、ドキュメンタリーを制作するにあたっても大いに示唆に富んだ本。何度も繰り返し読むべき座右の書の一冊にしたい。 2021/04/27

Rachel

0
詩的に読める哲学本。堅苦しくなく文学的で読みやすい文体。ギリシア哲学だけど、ポストモダン。2017/04/26

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