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内容説明
バイオスフィア(生命圏)とは、バクテリアから人間にいたるまで、あらゆる生命体が太陽光と大気と水を利用して、死と再生を繰り返している閉鎖生態系である。地球というバイオスフィア1に住む人類のこれからの生き方を探るために、ガラスの建物の中に密閉されたバイオスフィア2が、アリゾナの砂漠に作られた。その中で男女八人の科学者が、水や食料はもとより、空気すらもリサイクルしながら、外部からいつさいの補給なしで暮らした。クルー自らが書いた、二年間におよぶその実験生活の臨場感あふれるレポート。
目次
第1章 冒険への旅立ち
第2章 バイオスフィリアンの一日
第3章 バイオスフィア2の環境
第4章 自ら育てる
第5章 空腹とやりくり
第6章 二人のお医者さん
第7章 原野にて
第8章 テクノスフィア
第9章 動物ものがたり
第10章 三エーカーの“試験管”
第11章 電子ビジネス
第12章 余暇の楽しみかた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イノ
24
ミニ地球の創り方を調べてて。アリゾナに海・サバンナ等の自然と8人の男女と住む所と四千もの動植物と大気と水を閉じ込め自給自足を目指す壮大な実験! まさにノアの箱舟、宇宙の旅。91年にこんなときめく事をやっているとは。自然の管理、2週間で循環する大気と水、食料問題、湧いてくる害虫、中の人の変化など章ごとに記載。 人と技術で差支える自然が自然のままに行っている事のなんと大変なことか! 結果はググったりTEDでも分かるが中の人が体験した記述はより深く詳しい。科学的にも読み物としても貴重な体験だと思う。面白かった!2016/09/04
トムトム
21
閉じられた生態系の物質循環で生きられるか?という実験。数千種類の生物とともに密閉空間へ。ただし、温度・湿度は調整済み。雨も好きな時に降らせられる。機械・電力は使える。ちょっと中途半端かなぁ。ここで2年間暮らしたのはすごい。入れた覚えのないゴキブリがいたのもすごい!2019/10/30
厩火事
4
結構前にこんな実験していたと何かで見て知っていましたが、詳細が知りたくなり読んで見ました。かなりきちんとした施設でなるほどの連続 本当は100年続ける計画だったとか。続けていたらかなり面白いデータが取れたんだろうな2017/09/09
LastNakamura
4
読了!こんな実験が20年も前にあったなんて。SFチックで興味深かったけど、当事者の手記なのでプロジェクトの客観的考察がないのが残念。2016/01/21
梧桐
3
バイオスフィア内で全て賄う。ここはユートピアなのだろうか。そうは思わない。もしユートピアだというなら、地球だってユートピアになる。バイオスフィアとは、元々地球を指しているのだから。だけれども、自分の星で自給自足できているうちは、まだまだ僕たちは善なる存在でいられるのだと思う。善=ユートピアではないが。2016/01/17