少年少女古典文学館 〈第20巻〉 雨月物語 上田秋成

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  • サイズ A5判/ページ数 285p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784062508209
  • NDC分類 K918
  • Cコード C8393

出版社内容情報

【内容紹介】
人間の愛憎、執念を描いた近世文学の傑作。
18世紀後半に成立した上田秋成作の怪談小説集。「日峰」「菊花の約」「浅茅が宿」等9編から成る物語集の雰囲気を、ファンタジーの名手佐藤さとるが見事に再現

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なにょう

21
西條さんの『雨上がり月霞む夜』を読んでこちらを。味わい深い本で、遅読の自分は読むのに時間がかかった。★だいたいが男が女に迷ったとか、男がよそに行って女が悲しんだとかの話である。あと、秀次の亡霊が徳川の世を予見したり、崇徳院の言い訳とか。あるいは死してなお、義兄弟との約束を守ろうとした男の話とか。日本語で書かれた物語のうちの傑作の一つに間違いない。少なくとも自分にとっては古典の中でもとりわけ好みのものである。2021/06/20

ヒロ@いつも心に太陽を!

19
以前から興味のあった雨月物語、どの本で読もうかと思っていたところ佐藤さとるさんが現代語訳をされたこの本を見つけたので迷わず手にした。少年少女向けの訳本だからではないと思うが想像していた怖さ不気味さはなく、逆に様々な思想や学問を典拠に人の心の闇を美しくもはっきりと描き出した文学作品なのだなと。面白かったので他の訳本も読んでみよう。ちなみに大河ドラマ「平家物語」を見てるおかげで『白峰山の天狗』は読みながらドラマキャストで脳内映像化されました☆(ということで佐藤憲清=西行は藤木直人)2012/04/15

mm

18
少年マンガをガーッと読んだら、脳内が文字対応から漫画対応に変容する。文字対応に戻すためのリハビリとして児童書を読んでみたけど、これはかなりいい感じ。子どもにもわかりやすいように、ちょっと話がひらべったくなってる気もするけど、妖しさ不気味さをストレート伝える為にはこうなるのかな?解説に、江戸時代は生産性が上がり合理的な思考が好まれる傍らで、そういう世の中ではかえって不思議な話や怪談のようなものが多く読まれた、と説明されていたのが印象的。後、上田秋成の生涯をコンパクトにまとめた文は為になった。2017/01/04

うなぎ

13
小泉八雲を読んでたら、怪談ものが読みたくなって久々に再読。カニバリズムの『青頭巾』は相変わらず強烈な話だと思ったら、舞台の大平山大中寺は有名な不気味な七不思議のあるお寺だった。『白峯』は西行法師が大天狗となって世に災いをもたらす崇徳院に出逢うってシチュエーションから凄い。執念深い蛇に付け狙われる『蛇性の淫』と滅茶苦茶オチにゾッとする『吉備津の釜』も怖いけど、今回読んで1番ゾッとしたのは高野山に参拝をした親子が怨霊の宴会を目撃する『仏法僧』。耳なし芳一が出くわした平家の怨霊達と並べるくらい強烈な霊達で→2022/02/25

いずみんご

4
西條奈加『雨上がり月霞む夜』を再読したいと思い、『雨月物語』を原文で読むのはさすがに無理なのでこの本を手にとった。子ども向けなので非常に読みやすく、理解しやすかった。巻末に序文が載っていたので少し読んだけれど、文章が実に流麗。物語の中では「朝茅の宿」が一番印象的だった。京都へと発った夫を待ち、戦禍をこうむって荒れ果てた家で待つ女性。あまりに身勝手な夫の言動が腹立たしい。当時の人はこれを読んでどう思ったのだろうか。2022/07/28

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