出版社内容情報
あの懐かしの個性派俳優たちが帰って来た!
3000本以上のプログラム・ピクチャーから厳選36本!
東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、新東宝怪奇映画…………。
プログラム・ピクチャーにおいては、主役は代われど、脇役陣は常に同じである。一例をあげると、悪親分役の脇役は、多少のバリエーションを伴いつつ、ほとんど同じ役を演じ続ける。その結果、劇中の様々なキャラクターが俳優その人のパーソナリティーに重なって、一種独特の人格が形成されることになる。それはいってみれば、モンタージュ写真のようなもので、劇中のそれぞれのキャラクターとも、俳優の素顔とも異なる第三の人格である。私は、脇役特有のこの第三人格の形成にとりわけ興味をもった。というのも、これこそは、映画の製作側と受容者側とのコラボレーションによって初めて生まれる、文字通りのインタラクティブ(相互干渉)芸術にほかならないからである。――<「開館の辞」より>
第1回上映 不器用な愛 荒木一郎/『893愚連隊』『現代やくざ 血桜三兄弟』『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』
第2回上映 哀しき肉体 ジェリー藤尾/『偽大学生』『拳銃(コルト)は俺のパスポート』『悪の親衛隊』
第3回上映 孤高のドラキュラ 岸田森/『呪いの館 血を吸う眼』『血を吸う薔薇』『黒薔薇昇天』
第4回上映 天才は多作である 佐々木孝丸/『叛乱』『顔役』『博奕打ち 総長賭博』
第5回上映 抗い難き過剰 伊藤雄之助/『あなた買います』『しとやかな獣(けだもの)』『けものみち』
第6回上映 横目な色悪 天知茂/『憲兵と幽霊』『女吸血鬼』『東海道四谷怪談』
第7回上映 1969年のハンサム・ピンク 吉澤健/『狂走情死考』『現代好色伝 テロルの季節』『新日本暴行暗黒史 復讐鬼』
第8回上映 生涯一エロ女優の心意気 三原葉子/『黒線地帯』『セクシー地帯(ライン)』『0課の女 赤い手錠(ワッパ)』
第9回上映 我が存在に余りなし 川地民夫/『陽のあたる坂道』『狂熱の季節』『黒い太陽』
第10回上映 パラドキシカルなエロスの女神 芹明香/『狂棲時代』『マル秘色情めす市場』『仁義の墓場』
第11回上映 鉄砲玉役者の美学 渡瀬恒彦/『博徒斬り込み隊』『鉄砲玉の美学』『仁義なき戦い 代理戦争』
第12回上映 ホモ・ソーシャルな悪の貴公子 成田三樹夫/『兵隊やくざ』『新・兵隊やくざ』『柳生一族の陰謀』
内容説明
東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、新東宝怪奇映画…。三〇〇〇本以上のプログラム・ピクチャーから厳選三六本!あの懐かしの個性派俳優たちが帰って来た。
目次
第1回上映 不器用な愛―荒木一郎
第2回上映 哀しき肉体―ジェリー藤尾
第3回上映 孤高のドラキュラ―岸田森
第4回上映 天才は多作である―佐々木孝丸
第5回上映 抗い難き過剰―伊藤雄之助
第6回上映 横目な色悪―天知茂
第7回上映 1969年のハンサム・ピンク―吉澤健
第8回上映 生涯一エロ女優の心意気―三原葉子
第9回上映 我が存在に余りなし―川地民夫
第10回上映 パラドキシカルなエロスの女神―芹明香
第11回上映 鉄砲玉役者の美学―渡瀬恒彦
第12回上映 ホモ・ソーシャルな悪の貴公子―成田三樹夫
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
フランス文学者。エッセイスト。著書に、『馬車が買いたい―19世紀パリ・イマジネール』(サントリー学芸賞、白水社)、『子供より古書が大事と思いたい』(講談社エッセイ賞、文春文庫)、『職業別パリ風俗』(読売文学賞、白水社)、『成功する読書日記』(毎日書評賞、文藝春秋)、『愛書狂』(コンラッド・ゲスナー賞、角川春樹事務所)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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