甦る昭和脇役名画館

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甦る昭和脇役名画館

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  • サイズ A5判/ページ数 387p/高さ 15X20cm
  • 商品コード 9784062131377
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0074

出版社内容情報

あの懐かしの個性派俳優たちが帰って来た!

3000本以上のプログラム・ピクチャーから厳選36本!
東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、新東宝怪奇映画…………。

プログラム・ピクチャーにおいては、主役は代われど、脇役陣は常に同じである。一例をあげると、悪親分役の脇役は、多少のバリエーションを伴いつつ、ほとんど同じ役を演じ続ける。その結果、劇中の様々なキャラクターが俳優その人のパーソナリティーに重なって、一種独特の人格が形成されることになる。それはいってみれば、モンタージュ写真のようなもので、劇中のそれぞれのキャラクターとも、俳優の素顔とも異なる第三の人格である。私は、脇役特有のこの第三人格の形成にとりわけ興味をもった。というのも、これこそは、映画の製作側と受容者側とのコラボレーションによって初めて生まれる、文字通りのインタラクティブ(相互干渉)芸術にほかならないからである。――<「開館の辞」より>

第1回上映 不器用な愛 荒木一郎/『893愚連隊』『現代やくざ 血桜三兄弟』『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』
第2回上映 哀しき肉体 ジェリー藤尾/『偽大学生』『拳銃(コルト)は俺のパスポート』『悪の親衛隊』
第3回上映 孤高のドラキュラ 岸田森/『呪いの館 血を吸う眼』『血を吸う薔薇』『黒薔薇昇天』
第4回上映 天才は多作である 佐々木孝丸/『叛乱』『顔役』『博奕打ち 総長賭博』
第5回上映 抗い難き過剰 伊藤雄之助/『あなた買います』『しとやかな獣(けだもの)』『けものみち』
第6回上映 横目な色悪 天知茂/『憲兵と幽霊』『女吸血鬼』『東海道四谷怪談』
第7回上映 1969年のハンサム・ピンク 吉澤健/『狂走情死考』『現代好色伝 テロルの季節』『新日本暴行暗黒史 復讐鬼』
第8回上映 生涯一エロ女優の心意気 三原葉子/『黒線地帯』『セクシー地帯(ライン)』『0課の女 赤い手錠(ワッパ)』
第9回上映 我が存在に余りなし 川地民夫/『陽のあたる坂道』『狂熱の季節』『黒い太陽』
第10回上映 パラドキシカルなエロスの女神 芹明香/『狂棲時代』『マル秘色情めす市場』『仁義の墓場』
第11回上映 鉄砲玉役者の美学 渡瀬恒彦/『博徒斬り込み隊』『鉄砲玉の美学』『仁義なき戦い 代理戦争』
第12回上映 ホモ・ソーシャルな悪の貴公子 成田三樹夫/『兵隊やくざ』『新・兵隊やくざ』『柳生一族の陰謀』

内容説明

東映ヤクザ映画、日活ロマンポルノ、新東宝怪奇映画…。三〇〇〇本以上のプログラム・ピクチャーから厳選三六本!あの懐かしの個性派俳優たちが帰って来た。

目次

第1回上映 不器用な愛―荒木一郎
第2回上映 哀しき肉体―ジェリー藤尾
第3回上映 孤高のドラキュラ―岸田森
第4回上映 天才は多作である―佐々木孝丸
第5回上映 抗い難き過剰―伊藤雄之助
第6回上映 横目な色悪―天知茂
第7回上映 1969年のハンサム・ピンク―吉澤健
第8回上映 生涯一エロ女優の心意気―三原葉子
第9回上映 我が存在に余りなし―川地民夫
第10回上映 パラドキシカルなエロスの女神―芹明香
第11回上映 鉄砲玉役者の美学―渡瀬恒彦
第12回上映 ホモ・ソーシャルな悪の貴公子―成田三樹夫

著者等紹介

鹿島茂[カシマシゲル]
フランス文学者。エッセイスト。著書に、『馬車が買いたい―19世紀パリ・イマジネール』(サントリー学芸賞、白水社)、『子供より古書が大事と思いたい』(講談社エッセイ賞、文春文庫)、『職業別パリ風俗』(読売文学賞、白水社)、『成功する読書日記』(毎日書評賞、文藝春秋)、『愛書狂』(コンラッド・ゲスナー賞、角川春樹事務所)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まさやん80

2
12人の脇役俳優の代表作3本を上映する名画座という趣向の脇役賛歌。 まず、12人の役者の選択が素晴らしい。作者は1970年代に毎年400本の映画(それも東映、新東宝、日活)を見ていたそうで、なるほどの人選だ。それぞれの役者について熱く語られるが、映画の粗筋を語る部分は、もっと簡潔にしても良かったかも。 でも、同じ年代に映画を見ていた者としては、とても懐かしく、また有り難く、読んだ。そうなんですよ、いい役者だったんですよと言いたい。2023/10/10

じゃもじ

1
昭和、とくに1960年代から、70年代半ばまでの作品が中心に取り上げられている。生まれる以前のものばかりなので、正直ほとんど未見の作品だが、それでも楽しめる。読み終わるころには、たくさんの映画を見た気分だ。2012/02/21

igi_tur

1
また鹿島先生が荒稼ぎしてるなあと思いきや、1970年~77年の間に年平均400本みたという見たという日本のB級プログラムピクチャーの脇役に焦点をあてた本。取り上げられている俳優は、荒木一郎、岸田森、伊藤雄之助、吉澤健など。資料的にも内容的にもたいしたことないが、好感がもてます。2009/03/08

sasha

0
映画のあらすじを書き連ねられても実際の映像を見なければ役者の凄さは伝わって来ない。個性派俳優への思い入れは分かるが、少々空回り気味か。2010/12/07

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