内容説明
二〇〇四年四月七日、現地時間の午前一一時頃、著者はイラク北西部ファルージャ近郊で武装グループに拉致された。通算四回目のイラク入りで起きた、悪夢のような出来事だった。拘束の日々と「再生」への道。
目次
序章 なぜ私は、拘束されたのだろう
第1章 拘束の九日間―あの日、いったい何が起きたのか
第2章 再生への道―解放から帰国まで、そして帰国後の日々
第3章 初めてのイラク―〇三年四月~七月のイラク日記
第4章 ストリートチルドレンとの出会い―行き場を失った子どもたちと向き合う日々
第5章 イラク再訪―〇三年一一月~〇四年二月のイラク日記
著者等紹介
高遠菜穂子[タカトオナホコ]
ボランティア。1970年、北海道千歳市生まれ。麗沢大学外国語学部英語学科卒。2000年、30歳になったのを機に仕事をやめ、以後、インド、タイ、カンボジアの孤児院やエイズホスピスを手伝う。03年5月1日、ブッシュ大統領がイラク戦争の終結を宣言した日にイラクに初入国。5月1日~18日、5月30日~7月17日の2ヵ月余にわたって滞在し、NGOとともに病院調査、医薬品運搬、学校再建などに力を注ぐ。03年11月18日~04年2月13日の滞在では、おもにストリートチルドレンの自立支援活動を行う。そして、04年4月7日、4回目の入国の際、ファルージャ近郊でイラク人の武装グループに拘束される
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感想・レビュー
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ぶっちゃん
4
小泉元首相は、アメリカ軍におともだち作戦ありがとうと、泣いて感謝していた。原発は間違いだったと。 なら、イラクの人たちにも謝るべきなのではないだろうか? 高遠さんが見てきた、イラクの実体。アメリカ軍の実体。沖縄にいるとさもありなんと感じる事もある。 アメリカ人が日本人が憎いわけではない。 軍隊が憎いのだイラクの人たちも。 そして、今後のウクライナにも思いをはせる。2022/06/15
sirokuma
2
イラクで人質になった時のことや、その前のイラクでの人道支援、自衛隊派遣前のイラク人たちの気持ちを克明に記録している。イラク戦争のことがやっときちんと理解できた気がした。イラクのストリートボーイズ達と本気で向き合う高遠さんは本当に素敵だ。そして、自分を拘束しているイラク人たちにも、臆せず自分の主張を伝える高遠さんもかっこよかった。「自分は“無力”ではない、自分には“微力”がある」という言葉が、謙虚で力強くて素敵だと思った。2014/09/01
otakichi
2
あの「人質」事件がどうして起こったのか?そのバックグラウンドやマスコミが報道しなかった当時のイラク情勢がわかる。イラクのストリートチルドレンのために奮闘する高遠さんがすばらしい。2010/01/03
静
1
何気なく手に取った本でしたが、引き込まれるように一気に読み終えました。政府に翻弄され、マスコミに視聴者受けするように創り変えられた報道に、当事者家族はどれ程の苦痛を生き抜いてきたのか! この本を読んでショックで胸が痛くなりましたが、沢山の人に読んで欲しいと強く思いました2018/09/14
ばんぶー
1
日本にいると、世の中平和に感じられますが、まさに実は地球は平和でも豊でもないことを、忘れているだけの話だと思いました。それと関係あるかもしれないですが、イラクでも人質事件の時に見せた日本人の冷たさを思い出し、なんともいえない思いを感じました。2009/03/02