テロリストのパラソル

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  • サイズ B6判/ページ数 314p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062077972
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

東京・新宿の公園で爆破事件が発生、多数の死者が出た。犠牲者のなかに「私」の、ただひとりの女性、ただひとりの友人がいた…。第41回江戸川乱歩賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

145
当時、本作を読み終えたときの感動や衝撃は20年以上の歳月を経ても、色あせるコトなく、鮮明に憶えています。まさかの「直木賞」&「江戸川乱歩賞」のダブル受賞となりましたが、今となっては考えられない凄まじい快挙を成し遂げている作品です。とにかく冒頭の1行目を読んでしまうと完全に、虜になってしまいます。まさかの1行でと思ってしまいますが、作者さんのもつカラーや雰囲気が1ページ目からフルスロットルで展開されます。ミステリー云々ではなく、やはり直木賞作品ですので、情景や人物の心理描写も非の打ちどころがない大傑作です。

紫 綺

114
文庫本にて読了。主人公が魅力的。アル中であることを除けば…(笑)。2017/10/11

chimako

110
ものすごく面白かった。他の上手い表現をしたいのだがまどろっこしい位面白かった。発行は1995年。20年以上前なので通信手段やパソコンに関する事柄は現在と全く違う。それらは物語をノスタルジックに色どりこそすれ、邪魔になることも興を削ぐこともない。東大で学生運動に身を投じた男女の20年後。女性は爆破事件の犠牲者となり、アル中となった一人の男はたまたまその場に居合わせる。そして、もう一人は……読みながら「きっとどこかで現れる」と息を詰め、主人公と共に隠れ逃げる。愛情と友情と悲哀。陳腐だがそんな言葉が頭を巡る。2017/10/05

R

74
令和の今読んで面白い小説だった。まさにハードボイルドといった描写と展開、日本における日本人によるテロルは、この時、この雰囲気だったらあり得たのだなと、どうしても嘘っぽく、無理したハリウッドみたいになりそうな物語がすごくリアルに読めて面白かった。60年代の活動家が40代になったときの物語を今読むというのが、もしかすると彼らが戦争帰りの人たちを見ていたのと同じ感覚なのかもと感じたりした。2021/06/22

GAKU

56
いつか再読しようと思って大事に本棚の片隅にしまっておきました。1995年の刊行時に読んで以来、久しぶりに再読しました。相性の良い作品というのは、再読であっても数ページ読んだだけで引き込まれてしまいますね。そして読み終えたときには、初読の時と変わらない感動をまた得ることが出来ました。やはり藤原伊織さんは良いです。もう新作が読めないことを残念に思いつつ、続けて手元に置いてある藤原さんの作品を再読しようと思います。あらためて藤原伊織作品は良いです。2023/11/14

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