講談社文芸文庫<br> あらくれ

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講談社文芸文庫
あらくれ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 279p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984486
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

わたしは自分の人生をあきらめない

年頃の綺麗な娘であるのに男嫌いで評判のお島は、裁縫や琴の稽古よりも戸外で花圃の世話をするほうが性に合っていた。幼い頃は里子に出され、7歳で裕福な養家に引きとられ18歳になった今、入婿の話に抵抗し、婚礼の当日、新しい生活を夢みて出奔する。庶民の女の生き方を通して日本近代の暗さを追い求めた秋声の、すなわち日本自然主義文学を代表する一作。

大杉重男
『あらくれ』は、(中略)「歴史」への抵抗としての秋声の小説の在り方を、最も生々しく語るテクストである。お島という1人の女性の半生を淡々と語っているように見えるこの小説は、しかし決して1人の女性の「歴史」ではなく、むしろ「歴史」への抵抗の荒々しいドキュメントとしてある。――<「解説」より>

徳田 秋声[トクダ シュウセイ]
著・文・その他

大杉 重男[オオスギ シゲオ]
解説

内容説明

年頃の綺麗な娘であるのに男嫌いで評判のお島は、裁縫や琴の稽古よりも戸外で花圃の世界をするほうが性に合っていた。幼い頃は里子に出され、七歳で裕福な養家に引きとられ十八歳になった今、入婿の話に抵抗し、婚礼の当日、新しい生活を夢みて出奔する。庶民の女の生き方を通して日本近代の暗さを追い求めた秋声の、すなわち日本自然主義文学を代表する一作。

著者等紹介

徳田秋声[トクダシュウセイ]
1871・12・23~1943・11・18。小説家。金沢市生まれ。旧制四高を父の死のため中退、文学を志して上京。尾崎紅葉門下に入りやがて泉鏡花などとならんで「葉門の四天王」とよばれるまでになる。独自の自然主義文学観に開眼し、私小説的長篇『黴』によって文壇的地位を確立する。『足迹』のお庄、『あらくれ』のお島など庶民の女性を描きつづけ、集大成ともいえる『縮図』は軍部によって中断され、太平洋戦争を憂慮しながら本郷森川町の書斎で没した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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佐島楓

69
昔の女性の話ながら、現代にも通じるところが多々ある。女であるがゆえの苦しみを、しかしお島はときに激しい怒りに変えて表現する。仕事がうまくいかなくて出戻っても、ただ落ち込むより行動する。『あらくれ』という題名がぴったりである。秋声は多くの作品を書いているけれど、容易に入手できるのは本作と『仮装人物』くらいなのが惜しまれる。2019/08/03

みっぴー

51
生家の継母に虐待され、他家へ養子に出されるも結婚相手が生理的に受け付けず逃亡、姉や兄の家を転々とするお島はやがて仕立屋を始めるのですが、ここでも旦那に恵まれず中々商売が軌道に乗りません…。こんな女の半生を描いた作品です。どこにも居場所がなくて〝しっくり〟こないお島。生家、養家の間で宙ぶらりん状態になりつつも、生き方を模索し続けたハングリー精神は、女性の可能性を示唆していると思いました。2016/10/21

藤森かつき(Katsuki Fujimori)

38
徳田秋声の誕生日に。実の母に虐待されて里子に出され養家で気立てよく育ったように見える、お島。強情で嫌なものは何処までも嫌。でも何でも撥ね付けるのかと思えば意外にコロっと惚れてしまう所もある。しかし、お島に対する扱いは、生家でも養家でもかなり酷い。それでも従わないお島が悪いことになってしまう。かなり理不尽。我を通す、家を飛び出す、騙される、と波瀾万丈。でも完全に身を持ち崩す方向にはいかない。結局、誰かの勧めのままに違う生活に入っていく。でも、気性が激しく色々に懲りない。何処までも懲りない所が頼もしくはある。2020/02/01

michel

20
★4.3。お島のあらくれ人生。生まれながらの性質、運命、環境、とにかくお島はあらくれでしか生きられない。原始的な女性の強さ、大正という時代に於かれた女性の強さ。特に何も事件事故があるわけではなく、ただ一人の女が自分の人生を歩んでいく姿を、ただ単に書き上げただけの作品。作者の文章の旨さがあってこそ。最後が気持ちよく読了。あらくれお島、愛しいな。2019/11/17

たけひと

13
最近は現代小説の合間に近代文学を読むのが常習化してきた。起伏あるストーリーではなく、表現そのものや往時の暮らしや思想に触れたいからだ。さて予備知識もなく読んだこの作品、題名とは裏腹に女性の生き様を描いたものだった。決められた婚姻のために悲恋に泣くようなセンチメンタルな要素は皆無、ただ己の夢と野望に突き進むしたたかな女性主人公の話だった。描かれたのが大正初期だから、デモクラシーの潮流の中で女性の自立心の萌芽を捉えた力作と見た。自然主義とは心理や暮らしの枝葉末節までさらけ出すもなのなのだと理解が深まった。2019/03/31

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