講談社文芸文庫
メタモルフォーシス―ギリシア変身物語集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984363
  • NDC分類 991
  • Cコード C0197

内容説明

名前の意味から解放奴隷の出身とされるリーベラーリスが、神話やフォークロアに材を求め創造した四十一の変身物語。厳しい自然の中で人が神や妖精と共に生き、愛を交わし、闘った古典世界。死すべき身の人間の見果てぬ欲望を、神は憎み、時に憐んで、人を鳥や獣や星へと変身させる。善悪の判断や装飾を一切加えない素朴で力強い物語は、まさに文学の豊かな源泉。ギリシア語原典からの本邦初訳。

著者等紹介

アントーニーヌス・リーベラーリス[アントーニーヌスリーベラーリス][Antoninus Liberalis]
物語作家。活動年代は紀元後2~3世紀と推定されるが出生地ほか生涯の詳細は不明。その名前の字義は「解放奴隷アントーニーヌス」であるため、皇帝アントーニーヌス・ピウスが在位した紀元後138~161年に解放された奴隷だったと考えられている。ラテン語風の名前にもかかわらず、知られている唯一の著書『メタモルフォーシス』はギリシア語で書かれている。収録されている41の変身物語には、ニーカンドロスやボイオスなどヘレニズム時代文学の影響が色濃くみられる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

esehara shigeo

4
いわば「物語」未満の「エピソード集」というか、「素材集」という感じで、料理されていない生のままの状態を出されている気分になる。だから、何か妙に引っかかるものはあるのだが「だからなんだ」という気持ちも否めない。嫌いではないんだけれど、なぜこれが面白いのかと言われたら「はて、なんででしょうね」と思うのである。良く言えば、頭の中にある「こういうのが物語だ」の既成概念を揺さぶるのにはちょうどいい「生煮え加減」だなあとは思う。2019/11/10

鳩羽

2
41編の、人が別の生き物に変身する話を集めた本。話よりも註の方が長い(笑)2009/08/10

ymd

1
恩師。この変身物語をおとぎ話ではなく実際の事件として考えていたギリシア人の精神って、謎、変身という現象がどうしてそこまで人々の興味を引いたのかな、想像の埒外だ、ふしぎ。2017/02/20

龍國竣/リュウゴク

1
変身物語集。ギリシャ文学の古典だが、それ以前の「鳥類の系譜」「変身物語」等を出典とする。日本の変身物が教訓めいて書かれるのに対し、ギリシャのそれはあくまで神話と同じく物語の体裁をとって綴られる。神と人と動物の境界がまだ曖昧だった頃の話。 2012/12/19

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