講談社文芸文庫
ボードレールと私

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984141
  • NDC分類 901.1
  • Cコード C0195

内容説明

戦前の新詩運動のなかで生み出された画期的な処女詩論「超現実主義詩論」から、晩年の詩的自伝ともいえる随想「ボードレールと私」まで、ボードレールの与えた影響とその変容を軸に、代表的詩論四篇を精選。詩的言語により経験生活を超克し、芸術のための芸術を追究してきた、偉大なる学殖詩人・西脇順三郎。そのアヴァン・ギャルドとしての革新的な試みの背景を理解するための貴重な一冊。

目次

超現実主義詩論(序(厚生閣書店版)
序(荒地出版社版)
PROFANUS
詩の消滅
ESTH´ETIQUE FORAINE
超自然主義
超自然詩の価値)
私の詩作について
ポイエテス
ボードレールと私

著者等紹介

西脇順三郎[ニシワキジュンザブロウ]
1894・1・20~1982・6・5。詩人。英文学者。新潟県生まれ。慶応義塾大学卒。画家を志し上京するも断念。1922年、渡英。英文詩集を出版後、帰国し、慶大教授に就任。「詩と詩論」に拠り、新詩運動の中心となるも、軍国主義の時代は詩筆を断つ。戦後、47年に14年間の沈黙を破り『旅人かへらず』を発表。以後、詩、詩論、英文学研究に旺盛なる活動をなす
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感想・レビュー

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nightU。U*)。o○O

2
めちゃめちゃ晦渋だったけれどもめちゃめちゃ面白かった。どこかで偉大なるモダニストとか紹介されていた気がするが成る程という感じ。「ボードレールと私」の中では西洋芸術史の二分ということをやっているが、やはり器質的に、習慣的に日本人のそれとは根本から違うということを思わされる。西脇の詩はまた別の話だが、(本人もこうした詩論のなかで自分の詩は詩でないと言う)志向として合わないのでは、とも。ボードレールは美と芸術とを統合した意識を発見した、という意味で近代芸術の祖である。なるほど。2015/11/16

脳疣沼

2
ボードレールに関する論考がまとめられている。読んでいると、なんだか同じことのくり返しのような気がしないでもないが、繰り返しだからこそ主張が明確になっているとも言える。良かったのは、自分の詩をどういうものにしたいか、かなり明確に書いている点で、難解な詩を読解する手がかりとなると思う。2014/09/10

なかたつ

0
再読。詩に限らず、芸術・美を考えるうえではとても参考になる本。ボードレールは、ドイツロマン主義に則していたと西脇は考察し、そこから生まれたのがボードレールにおける「超自然」「イロニイ」であると述べる。そして、それは「絶対」的な美であるとし、それを生むためには、相反するものを結合させること、結合しているものを分離させる「想像力」が必要だとした。簡単に言えば、善を語るために悪を語るようなこと。そして、それを結び、0の世界をつくりあげること、それが「絶対」である。2012/06/30

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