講談社文芸文庫<br> 一葉の日記 (新装版)

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講談社文芸文庫
一葉の日記 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 382p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061984035
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

樋口一葉の研究に没頭して伝記・評論を書き続け、全集の実務にも携わった作家・和田芳恵が、一葉十六歳から死に到る二十五歳までの日記を、鋭い洞察力で丹念に分析。一葉文学の本質を描出し評伝文学の白眉といわれた。著者畢生の仕事である一葉研究の集大成。日本芸術院賞受賞。

目次

序説
十六歳から十九歳まで
二十歳
二十一歳
二十二歳
二十三歳
二十四歳
二十五歳
人と時代

著者等紹介

和田芳恵[ワダヨシエ]
1906・4・6~1977・10・5。小説家。北海道の生まれ。1931年(昭6)中大独法科卒業。新潮社に入社、『日本文学大辞典』編纂、「日の出」編集。編集のかたわら同人雑誌「山」創刊、「格闘」を発表し芥川賞候補となる。41年新潮社退社、『樋口一葉』を出版。その後も一葉研究を続け、全集の編纂他一葉関係の執筆に従う。56年『一葉の日記』(筑摩書房)で日本芸術院賞受賞、63年『塵の中』で直木賞受賞。著書に『接木の台』(読売文学賞)『暗い流れ』(日本文学大賞)など多数
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感想・レビュー

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ころこ

39
一葉の日記の研究書だが、評伝といっても良いし、一葉の生涯を書いた小説とも読める。平易で虚飾のない文章に、著者のことを調べてみた。経済的に苦労されていて、一葉の研究は自身が作家になる踏み台と割り切って、その後に実際に直木賞を取っている。才能のある人物が貧乏で苦労しているところや、野心が見え隠れするところが一葉と重なる。一葉の日記は読んだことがないが、文語では実際読んでも感情移入するまではいかないのではないか。一葉は読まれることを前提に書いていたようで、著者は一葉の日記を平安期の女流日記文学の伝統と、近代の私2023/08/28

びすけっと

9
2005年4月刊。底本 1986年3月刊。一葉が残した日記がある16歳~25歳までを数え年ごとに綿密な調査研究のもとに一葉の生き様を著した一冊。一葉が女性作家として生き抜くために、また書き続け発表するためにさまざまな策を練り、言葉は悪いが男たちを利用していたことが分かり、凄さを感じ取りました。とはいえ桃水へ心を寄せただろうし、緑雨へ仲間以上の許しもあったろう。それにしても、ここまで著者を一葉研究に没頭させたものはなんだろうか。このあと一葉の作品に触れ、それを感じたいと思います。2016/02/05

moyin

5
さすがに和田先生。これを日記原本と合わせて読むと、今まで気付かなかったところが目に飛び込んだ。2020/08/02

yoyogi kazuo

1
一葉はこれまで読んだことも無かったしこれをきっかけに関心が持てればとも思ったがそんなに面白いと思えなかった。桃水との恋にどうしても興味が行ってしまうが、この経験と諦念を経てわずか25歳で人生を達観するような視点を持ちえたのは凄いことだと思う。2021/06/28

コホン

1
生きるために男を手玉に取った(といういい方は悪意がありすぎるけど)部分があったという捉え方だけど、そうかなぁ。貧しくて人から借金をしてもその一部を自分より辛い境遇の人に貸してあげるという優しさが痛々しい。生き急いだからこそあれだけの作品がかけたのかもしれないけど、もう少し人生を楽しめたらよかったのに。2015/10/24

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