講談社文芸文庫
吉本隆明対談選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 417p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983977
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

その時々の社会情況、文学・思想情況に対して、果敢な発言を行い、時代を先導してきた思想家・吉本隆明。その思想の歩みを対談で辿り、時代と思想的課題の推移を、今、改めて問い直す。江藤淳、鶴見俊輔、ミシェル・フーコー、佐藤泰正、大西巨人、高橋源一郎、谷川俊太郎との、時代を象徴する七篇の対談は、互いの立場を超えた鋭い問題意識の応酬で、読者を白熱した場へと連れ出す。精選された一冊。

目次

文学と思想(江藤淳)
思想の流儀と原則(鶴見俊輔)
世界認識の方法(M.フーコー)
漱石的主題(佐藤泰正)
素人の時代(大西巨人)
言葉の現在(高橋源一郎)
僕らが、愛してゆくこと老いてゆくこと詩を書くこと(谷川俊太郎)

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924・11・25~。詩人、批評家。東京生まれ。東京工業大学卒業。戦争体験の意味を自らに問いつめ、50年代、文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場。60年安保闘争を経て、61年「試行」を創刊。80年代からは、消費社会・高度資本主義の分析に向かう
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感想・レビュー

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home alone

3
文学論が多い。フーコーとの対話が一番社会思想的で面白かった。それ以外文学的すぎて退屈した2013/01/31

KA

2
1966年の江藤淳と吉本との対話、もう圧倒的に江藤淳がいい。吉本より江藤のほうが詩的衝動を理解してるように思える。まぁ俺は『共同幻想論』を読んで以来の吉本アンチなので、フィルターかかってるんだろうけど。続けて1984年の吉本と高橋源一郎の対談を読んだけど、吉本が徹底的に同業の後輩の柄谷行人を腐して、異業種で慕ってくれる糸井重里を褒めまくり、「俺も今なら電通入るかも」とか言ってて心底呆れた。「やっぱり吉本は偉大だった」と手の平を返す準備はできているのに、こりゃ一生返らんわ。しょーもな2021/01/19

ぶらり

2
「漱石的主題」は吉本と文学者佐藤泰正の対談。S54年、吉本の人気絶頂期?で、佐藤は「近代の作家で一人選べば漱石だ」と公言する吉本から具体的論拠を引き出そうとしている。対する吉本は、漱石の主題は、漱石の精神構造、思想構造、知識感、日本近代感に根ざしていると応えるが、「一人選ぶ」論拠は語らない。宗教的アプローチの佐藤が思想家吉本に配慮して吉本の発言を切り刻まない姿勢で臨んでいて、対談は平行線。但し、佐藤には、吉本の根拠が直覚的であるということを炙り出そうとする姿勢も感じられ、知識人対決の緊張感が伝わってくる。2010/09/25

bittersweet symphony

1
主要3作を出した後の時期、75年の鶴見俊輔との対談で吉本本人が「ある程度曲解なしにわかってもらえるだろうなと思うのはどう考えても数千を出ないっていうふうに思う」と言っているわけですが、ある程度の曲解がシンパ側にもアンチ側にもあるのだという事をきちんと把握したうえで、自分の立ち位置を正確に認識できていると言えそうですね。2021/03/21

longscale

1
かつて、吉本の減らず口を甘美に感じた人々がたくさんいたというのが、今さらながら何となくわかった。結果的に聞き上手としても機能しているしショーとして面白い。ただ、最後に解説を読んでげんなりした。勘違いした連中を膨大に生み出してきたのも、やはり事実なんだろう。個人的にはどの対談も面白いのだけれど、贔屓目を抜きにして面白いのは、鶴見俊輔と大衆芸術について話してるところかも。2013/08/27

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