出版社内容情報
平凡な家庭を持つ刑務官の平穏な日常と、死を目前にした死刑囚の非日常を対比させ、死刑執行日に到るまでの担当刑務官、死刑囚の心の動きを緊迫感のある会話と硬質な文体で簡潔に綴る芥川賞受賞作「夏の流れ」、稲妻に染まるイヌワシを幻想的に描いた「稲妻の鳥」、ほかに「その日は船で」「雁風呂」「血と水の匂い」「夜は真夜中」「チャボと湖」など初期の代表作7篇を収録。
茂木健一郎
丸山健二の文学性は、ジェームズ・ジョイスに通じる。本作品集に収録されている初期短編を改めて読みながら、私はそう思った。(中略)すぐれた芸術家は生涯を通して変貌を続けるが、若き日の作品群は作品を受容する側にとっての定点を提供する。ピカソのキュビズムは、初期の見事な絵画によって担保される。このような文脈において、本文庫に収められた初期の短編の数々は、弱冠23歳で芥川賞を受賞し、長年文壇と一線を画して孤高の道を歩んできた丸山健二の文学の全体像を理解する上で、重要な意味を持つのではないか。――<「解説」より>
丸山 健二[マルヤマ ケンジ]
著・文・その他
茂木 健一郎[モギ ケンイチロウ]
解説
内容説明
平凡な家庭を持つ刑務官の平穏な日常と、死を目前にした死刑囚の非日常を対比させ、死刑執行日に到るまでの担当刑務官、死刑囚の心の動きを緊迫感のある会話と硬質な文体で簡潔に綴る芥川賞受賞作「夏の流れ」、稲妻に染まるイヌワシを幻想的に描いた「稲妻の鳥」、ほかに「その日は船で」「雁風呂」「血と水の匂い」「夜は真夜中」「チャボと湖」など初期の代表作七篇を収録。
著者等紹介
丸山健二[マルヤマケンジ]
1943・12・23~。小説家。長野県飯山市の生まれ。1966年11月、「夏の流れ」で文学界新人賞、さらに同作品で芥川賞受賞。情感を排した硬質な文体が高く評価され、作家生活に入る。当時23歳の受賞は、芥川賞史上最年少であった。68年7月、「正午なり」を発表、帰郷した青年の孤独感を描く。8月、自身も長野県に移住、以後執筆活動を続ける
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