講談社文芸文庫
五里霧

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983922
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

18
時代の流れの中で流されず一人立つために言葉を求め言葉で格闘する。登場人物に限らず、地の文すら異常に生真面目で硬質な文体によってその並々ならぬ緊張を伝えてくる。しかし、いちいち()の中に人の出身や補足を入れる細かすぎる几帳面さ、どんな話題でも全く平等であるかのようにペースを変えぬ冷静さが、なんとも言えないユーモアを漂わせていていい。実在の新聞記事や書名が頻出することからエッセイ風私小説にも見えるが、「老母草」や「五里霧」などいかにも創作らしいものも多く、強烈なイメージを残すものもある2015/04/03

ArenasR

7
いそいそと、感想を書こうと検索してみたら、「読了」マーク。7年前に読んでいたことを全く覚えていなかった。記憶喪失... かつ、感想も変わるもんだなーと思う。まあそこは、読書は自己を投影するものだからな。今は生真面目さがちょっと煩わしいというか。しかし、「精神の、魂の、連絡船」はぐっときた。2019/04/24

Cell 44

2
『神聖喜劇』しか読んでいないのもどうかと思い、手にした。例の厳格な文体で差別問題などの当時の世相に切り込んでいく力強い文学、なのだが、そこに独特のユーモアが流れているように感じた(『牛返せ』で片瀬の感じたそれと同種のものだろうか?)。そして、解説を読み、この唯一無二の文体に他者の言葉が溢れていることについて少しく考え込むハメにもなった。桜井の思い描いた連絡船の成り行き(『連絡船』)、巻末に引かれた島木赤彦の「この道や遠く寂しく照れれどもい行き至れる人かつてなし」の「この道」。今は亡き著者の歩みを眺める。2014/03/23

isbm

1
★★★2021/03/30

ArenasR

1
いきなり『神聖喜劇』はちょっと勇気が出んと思ったので,まずはこちら.この堅苦しいほどに生真面目で正確な描写,登場人物たち,好きだな.この出版社社員は著者の投影だろうな,と思っていたら,いやこっちの作家も,この学生も,この女性も,と,思えてくる.つまり,みな真面目だしもちろん著者はそうした真面目さを知っている(持っている)からこそそういう姿を描いているんだろう.俗物も出てくるが,それもまた,著者が真剣にその内面を慮って初めて描かれたものだろう.読んだあと(勝手に)浮かび上がった著者像が好き,そんな本.2012/06/20

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