講談社文芸文庫
徳山道助の帰郷・殉愛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 252p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061983489
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

陸軍中将にまで昇りつめた華々しい経歴と、その後の不如意な暮らし―時代の転変とともに屈折していく出郷者の想いを追った芥川賞受賞作「徳山道助の帰郷」ほか、フランス人女性と結婚した画家の秘密めいた生活に迫る「殉愛」、祖母の葬儀の顛末を記す「坐棺」の三作品を収録。平明な文体で、人生の様々な局面をおおらかに描いた早世の作家・柏原兵三の世界をあますところなく示す。

著者等紹介

柏原兵三[カシワバラヒョウゾウ]
1933年(昭和8年)生まれ。1958年(昭和33年)3月、大学を卒業。4月、東京大学大学院人文科学研究科修士課程(独語独文学専攻)へ進学。1962年(昭和37年)3月、博士課程を中途退学。1968年(昭和43年)1月、「徳山道助の帰郷」により昭和42年度下半期(第五八回)芥川賞受賞。1972年(昭和47年)2月13日死去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

263
徳山道助の半生記を描く。文体や手法の上からは、とりたてて斬新なものは見られない。特に前半で描かれる主人公の陸軍での出世物語には。主人公の徳山道助は日露戦争に従軍し、第一次大戦、第二次大戦を経験し、その都度陸軍内で出世の階段を登り、中将にまで立身する。その間の何度かの帰郷は、実に晴れがましいものであった。ところが価値観の転換した戦後は、むしろ経済人として成功した武助にとってこそ、錦を飾る帰郷だった。老年となった徳山道助の表現の方にこそ見るべきものがありそうだ。後悔、諦念、人生にとって終息を迎えるのは難しい。2016/03/01

遥かなる想い

185
第58回(1967年)芥川賞。 徳山道助という日露戦争から 支那事変までを 軍歴として持つ 男を通して、この時代の日本の 世相の変遷を描く。 「故郷に錦を飾る」という言葉が確かにあり、 立身出世を目指す男たちが 確かにいた.. 読んでいると、当時の典型的日本人の感覚が、 今に伝わってくる、そんな作品だった。2017/08/12

YO)))

9
陸軍中将まで昇りつめながら戦後は不遇をかこった一軍人徳山道助の生涯、と十年ぶりの帰郷。老人の愚痴にリアル感がある。嘗てのように錦を飾るためではなく、何者でもない一人として故郷に帰るということ。道助老人の魂の帰郷は果たされたのであろうか。2015/05/21

れると

6
「徳山~」は別の本で既読で、ほか2編「殉愛」と「坐棺」を読んだ(合計100頁ほど)。やっぱり文体がいいのかな、読んでいるだけでいい脳波(?)が出ている感じがする。端整で分かりやすい文章。(あまり関係ないけど、「殉愛」では、何か月か前に松本清張「坂道の家」を読んでいたので、キャバレーに反応してしまった。あと、これも数ヵ月前から朝鮮での農業が気になっていて。きっかけは荒川佳洋『富島健夫伝』や川崎賢子『尾崎翠 砂丘の彼方へ』を読んだこと。柏原兵三の叔父さんの1人も働いていたのかと思った。あ、「坐棺」のほう。)2017/12/23

ArenasR

5
切ない... ただ真っ直ぐ生きているだけ.なのにいつの間にか持ち上げられたり落とされたり.だいたい,真っ直ぐ生きているつもりだったことそれ自体が,自分で選び取った道でなかったとしたら... 1人の人間にとって,家族ってなんだろう.血縁って,郷里って,国って,なんと難しい関係をせまる存在なんだろう.あまり長くはない話だけれど,考えるポイントや余韻はかなり多かったです.真面目で飾り気のない,シンプルな文体も好きだな.2011/12/20

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