講談社文芸文庫<br> あの夕陽・牧師館―日野啓三短篇小説集

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講談社文芸文庫
あの夕陽・牧師館―日野啓三短篇小説集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 235p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061983090
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ベトナム戦争中、失踪した記者の行方を追う著者初の小説「向う側」、自らの離婚体験を描いた芥川賞受賞作「あの夕陽」等初期作品から、都市の中のイノセンスを浮上させる“都市幻想小説”の系譜、さらには癌体験を契機に、生と死の往還、自然との霊的交感を主題化した近作まで八作品を収録。日野啓三の文学的歩みの精髄を一冊に凝縮。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

235
「あの夕陽」は、第72回(1974年下半期)芥川賞受賞作。’74年にしては、描かれている時代の古さを感じる。選考委員の誰もそのことを指摘していないのが、むしろ不思議なくらいだ。語り手の「私」の万事に投げやりなデカダンスぶりも、戦前・戦中の引きずり方も’60年代前半くらいの感じにしか見えない。妻の令子との関係のあり方も、あまりにも身勝手である。主人公の日常レベルでのエゴイズムが、男の読者である私でさえ許容の範囲を逸脱しているのだ。ただし、そうした情景を細部にわたって描き出していく筆力には大いに感心するが。2016/02/10

遥かなる想い

166
第72回(1974年)芥川賞。 心通わぬ妻令子の薄暗い情熱が、 怖い作品である。 全編に潜むジトッとした感覚は、なぜか 心に懐かしさを蘇らせる。 冷え切った筆致で、描く 冷え切った 夫婦の日々…読んでいて やり切れぬ暗さを 感じる、そんな作品だった。2017/09/29

kaizen@名古屋de朝活読書会

100
【芥川賞】描いていることは、一つの現実なのだろう。男視線炸裂。甘さがあるとすれば、踏み込んでいないところがあるのかもしれない。自分が傷つかないところで勝負している感が残る。 2014/02/07

overture

10
「人間とは(…)人間の条件を絶えず逃れようとする忌まわしい傾向性だ。」著者の60年代から90年代にかけての短編が収録されていて、文章のスタイルの変化や、その変化の中に一貫して流れているものが感じ取れる。やっぱり80年代以降の作品が好みかもしれない。爽やかな読後感を与えてくれる「風を讃えよ」、痛切に美しい「星の流れが聞こえるとき」が特にいい。2014/09/24

げんがっきそ

7
語彙は平凡で、表現力や芸術性みたいなものは感じられなかった。と、いうよりも、彼の作品自体にそれらは不要であったのかもしれない。私は、彼が言葉では表せない真実を書こうとしているように読めたからだ。真実を真実として私たちが言葉で抽出した時点で、すでにありのままではなくなってしまう。抽出する過程では必ず何かが欠けたり、変形するからだ。私たちはいつの間にか、理論や概念や言葉を通して、ありのままを歪めてしまう。日野啓三は言葉を使って「ありのまま」へ近づこうとしているが、それがすでに矛盾を抱えているように私は感じた。2018/12/28

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