講談社文芸文庫
春泥・三の酉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061983045
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

小説、戯曲、俳句等、多様な表現を展開した万太郎の核心に迫る作品集。震災後の隅田川界隈の変貌を背景に、凋落する新派俳優の群像を描く代表作「春泥」、劇作家としての本領を発揮した読売文学賞受賞作「三の酉」の小説二作品に、自選三句集から百句を精選し、併せて収録。「浅草の詩人」といわれた著者が、東京下町の風趣とそこに生きる人々の心情を、情緒溢れる筆致で描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

11
B 芸人一座の群青ポリフォニー小説。物語の中心は、一座の看板役者・若宮だが、本人は一切登場せず周囲の人間たちの会話によってその生涯から現在、そして自殺に至るまでが描かれる。中堅役者がうだうだと言い合う愚痴や文句、酒に酔ったはての罵り合い・謗り合いによって、少しずつ一座の現状が明らかとなる。劇作家でもある著者の独特な会話文が面白い。一人の人物の死とそれを囲む周囲の人間を描く点で「枯野抄」に近いが、どこかコミカルな印象も残る。関東大震災後の東京景観の変化と喪失感と時代の変化が重層的に描かれた作品である。2012/06/25

YO)))

8
「春泥」…関東大震災後の隅田川界隈.新派の役者たちがブラブラしたり飲んだくれたりしつつの,その会話の中から,一座の人間模様と,そこで起きた事件のあらましが浮かび上がってくる.構成の妙も然る事ながら,芝居気たっぷりの語りの妙こそ味わい深く.併録の「三の酉」,こちらは寄る辺ないおとことおんなの会話.「…しみ〲、かなしくなったわ、あたし、心の住処のないことが…」,如何にも,しみじみと.2014/07/20

桜もち 太郎

6
初めての久保田万太郎でした。役者という仕事は流行り廃りの世界なのでしょうか、作品の中の役者たちは浮き草のようでもあり、「春泥」というように生ぬるい泥の中のような生活を送っているというところでしょうか。役者仲間は互いに素っ気なく、でも関わりながら生きていきます。女形の若宮が新たな一座を旗揚げし、世間では恩人を裏切り謀反を起こしたと言われます。しかし実態は悲しく抑圧されたものでした。一人では生きてはいけない、そして生き残るには役者としての力を付けるしかない。今の時代の役者さんたちはどうなのでしょうか。2015/06/05

G三世

5
「春泥」は東京舞台一座をめぐる群像劇。よる年波、演劇界の動向、関東大震災、そして一座の内部の不穏な動き、様々な変化に戸惑いながら生きていく人々を、会話を中心に描いている。会話中心だからこそ感情が物語の進行に合わせてダイレクトに伝わってきます。落語でやれそうですな。2014/11/24

織沢

4
『三の酉』を読んだ。戯曲風の芸妓と客の対話で進む小説であり、地の文もト書きのようになっている(解説の受け売り)。さっぱりした筋は心地好く。昼のお酉さまに行きたい、なぜなら人垣の中にひょっこり死んだ父母の顔が見られるかも知れないから。というような話をする場面は切なくもあり、この芸妓の生涯の寂しさを感じさせる。2020/03/20

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