講談社文芸文庫<br> 山梔

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講談社文芸文庫
山梔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 461p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061976993
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

山梔のような無垢な魂を持ち、明治時代の厳格な職業軍人の家に生まれ育った阿字子の多感な少女期を書く自伝的小説。著者の野溝七生子は、明治30年生まれ、東洋大学在学中の大正13年、特異な育ちを描いた処女作の「山梔」で新聞懸賞小説に入選、島崎藤村らの好評を博す。歌人と同棲、後大学で文学を講じ、晩年はホテルに一人暮す。孤高の芸術精神が時代に先駆した女性の幻の名篇の甦り。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

YO)))

24
凄い.それとなくリフレインの多い文体が,エコーというかリバーブというかダブっぽくて素敵.冒頭の梔子の木の下で出遭った女との件など,鏡花を読んでいるのかと思うような幻想味がある.のだけれど,現実との軋轢と周囲の無理解の中で,純潔を希求するが故に堕落していく阿字子の辛さがどんどん辛くなって来て…そして読み終えて冒頭の女の言葉を振り返れば―結末はすべて予言されていたのだ…2014/08/06

tomo*tin

23
森茉莉・尾崎翠と共に語られることの多い野溝七生子を初めて読む。大正時代の厳しい家父長制の中、過剰なほどに繊細で鋭利な感受性を持ち、物語を愛した少女「阿字子」。無垢な魂というものがこの世に存在するとするのなら、それは彼女を指すのだろう。世界は常識で溢れ、同じ言語を操るにも関わらず他者はひどく遠い。順応し染まることを許さぬ高潔さが生む痛ましさ。世の少女が全て彼女なわけではないけれど、きっとシンクロする人には聖書にもなりうる一冊なのだと思う。矢川さんの解説もとても良い。2009/06/08

rinakko

7
女に生まれた、女である…ただそれだけで、どこまでも追い立て追い詰めてくるものから、逃げて。どうかどうか遠く逃げのびて。…と、そればかりを祈って読んでいた。そんなものを“運命”などと呼ばなくていい…と。“皆が、私が綺麗だと云っては取り、頭が好いと云っては取り、愛されたからと云っては取り、私が愛したからと云っては取り、もうちっとも残らないほど取り上げてしまって、そしてそのあとに意地悪をくれたんですもの。”2020/03/24

たりらりらん

6
著者・野溝七生子氏の自伝的作品ともされるこの一冊。家制度、暴力というものについて考えさせられる。結婚という家族に他者(結婚の当事者以外には、特にそのように感じさせる存在)が入り込むイベントによって、結婚する当事者以外の関係にも変化が生じる。絶えず流動する家族は、次第に内集団と外集団という区別すら容易に反転するものでもある。母親と娘の関係は、このテクストでも考察可能だと思う。父親のしつけという名の折檻、本を読むという行為などこのテクストを通して、考察したいテーマはあまりにも多い。2011/01/23

鳩羽

5
恋愛をテーマとしていない、メロドラマみたいでした。家族のために良い子でいたいけれど、結果的に良い子ではいられない。父に打たれても兄に理解されなくても、それでも愛情を持っている阿字子に対して返ってくる愛情もない。子供っぽい悪戯な振る舞いにすぎなかったことが、大人になり、周囲が変わったことで疎外されるようになる。その原因が、「読書」にあるのが身につまされました。味方であったはずの兄に責められ、父に殴られるラストでは涙涙でした。2009/08/19

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