内容説明
「近代文学」同人の中にあって、戦後文学を独自の立場で擁護した著者の啓蒙的鴎外論。日本の西欧文学理解に一批判を示し、人間の内面に根ざす視点が捉えた鴎外像は四章で構成。第一章では鴎外の生涯を詳述、第二章でその文学世界を追求、鴎外の文学観に迫る。第三章では「舞姫」ほか代表的作品十七篇を論じ、第四章に文学史的評価を紹介。鴎外文学を総括的に跡づけた絶好の入門書。
目次
第1章 鴎外の歩み
第2章 鴎外文学の世界
第3章 作品について
第4章 鴎外文学の評価史(覚え書)
感想・レビュー
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i-miya
32
2010.07.16 (解説・川西政明)時代の制約、個人の人物の力量、器量の大小など拘ることなく森鴎外は、その人間が無私に与えられた境遇の中で力いっぱい生きることを愛した、と評価する山室静。(第1章)鴎外の歩み。 1. 家と父母。1862年生まれ。津和野藩主亀井家てんい(150石)。十三代静泰の長男。長門、吉次家の出。師匠森玄仙の弟子、養子に行く。峰子、女丈夫。レグナチオン。峰子への服従。妻しげ子。二代続いて養子。静泰、のち静男。繁盛、腕は確か。温厚、温和。2010/07/18
悸村成一
0
「諦念」、(近代的)「自我」等がキーワードとして頻出する作家論の一種。772014/10/27