講談社文芸文庫<br> 若い詩人の肖像

講談社文芸文庫
若い詩人の肖像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 453p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061976337
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

小樽高等商業学校に入学した「私」は野望と怖れ、性の問題等に苦悩しつつ青春を過ごす。昭和三年待望の上京、北川冬彦、梶井基次郎ら「青空」同人達との交遊、そして父の危篤…。純粋で強い自我の成長過程を小林多喜二、萩原朔太郎ら多くの詩人・作家の実名と共に客観的に描く。詩集『雪明かりの路』『冬夜』誕生の時期を、筆者50歳円熟の筆で捉えた伊藤文学の方向・方法を原初的に明かす自伝的長篇小説。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

74
ジョイスの『若き日の芸術家の肖像』を模範にして、詩人として立つことを決意した少年時代から、『雪明りの路』を自費出版し、上京して多くの詩人達と交友しはじめた20代半ばぐらいまでのことを描いているが、50歳になって書かれているため、若き日の自分をかなり客観的な眼差しでとらえ、まだ若くて稚い青年の文学に対する思いや反応を冷静に分析している。また、自分が出会った文士たちのことが記されているのだが、中でも、先輩だった小林多喜二の姿、上京後の北川冬彦や梶井基次郎との交流の場面が印象的だった。 2019/07/15

u

5
耽読。詩的感興の呼び起こされる散文だった。第一章「海の見える町」はとくに。粉飾を免れた、素朴なことばがすっと心に波を立てる。感じやすい少年の心が、その感じやすさのままに叙述されている。詩人として出発した伊藤整ならではの小説技法だと思う。オクテなようでいて、秘かに自負と野心に燃えているところ、一級上の小林多喜二に対するライバル心、季節の変遷と結びついた女学生との逢瀬、詩の世界に生きながら、けっこう抜け目ないところ。一人の詩人であり作家の、少年から青年までの間の出来事、思考が端的に且つ詩情豊かに描かれている。2018/01/12

すし

2
故郷小樽でひとり詩作をする若者が詩壇の中心東京へと出て行く、たとえるなら詩人版『まんが道』。相手の詩を読むことで知り合い、あとから生身の人と会うという出会い方が現代のtwitterを介して知り合う文章の書き手とのそれと共通し、折々の心情を身近に感じた。もともと梶井基次郎からボードレールの散文詩「けしからぬ硝子屋」を聞かされてひどく感動するくだりが読みたくて読んだのだが、自意識過剰な「私」とそれを批判的に捉える「私」とが掛け合うように進んで少年時代の記述が、正直で読んでいて清々しかった。また読み返したい。2018/11/06

Mint_Choco

2
途中にでてくるりんご園の詩が好きでした。

AiN

1
-と梶井が言った。それは志賀という作家を尊敬しているというよりも、志賀という作家の良さを自分が認めて、保証してやる、というような言い方であった。「伊藤君、文章というものはね、我々はいつも活字で読んでるだろう?活字というものは魔物でね。あれで読んでいると、書いている時の息づかい、力の入りかたが分らないんだね。僕は志賀直哉のものを原稿用紙に書き写して見たんだ。するとね、書いてる人の息づかいが、よく分るんだ。ここで力が尽きて文章を切ったとか、ここで余力があって次へ伸びて行っている、ということが分るんだ」2012/03/13

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