内容説明
高名な詩人の娘嫩は、「B29機帝都に侵入す」る戦時下、手縫いのワンピースを着、男の田舎の神社で式を挙げるが、初めの日から「真面目な人」のはずの夫と行き違う。互いに傷つけあい、ささくれ立った年月の末、不妊手術をし、戦後に離婚、自立するまでのアパート「木馬館」での生活。『蕁麻の家』に続く、自伝的長篇三部作の第二篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぽぞう☆
13
図書館本。古書の書庫から出してもらった。「蕁麻の家」の続編。「蕁麻の家」は一人称だったが、こちらは二人称。子供時代は虐待を受け、今度はDV。(精神的、経済的?)虐待を受けて育ち、歪んだ認知から配偶者選びを間違えたのか。しかし、戦争末期である。追い出したがる実家、出ていきたい嫩、誰でもいい!と結婚したら酷い男だったのか。ただ、離婚へ向けて喧嘩の中で夫が、自分と父親を比べられていると僻むところを見ると、嫩にも原因はあるのかな。このシリーズ、第三部まであり、貸出中だったのでよやくしてきた。2018/08/23
Melody_Nelson
1
「蕁麻の家」続編。結婚を機にやっと家から出られたと思ったら、今度は夫と上手くいかず…。私は著者と同性なので、「ああ、こういう男性いるよね、ツラいだろうな」と思って読んだが、男性の側からしたら、それなりに言い分はあるはずで、ともかく、二人の相性が悪かったということだろう。二人とも若く、自我が強そうだし、且つ、敗戦で貧しい状況(環境)というのも精神的に余裕が持てない。「木馬館」の暮らしは、虐げられていたとはいえ、お嬢様育ちの著者は当初きつかっただろう。でも良い人たちが多かったみたいで良かった。2020/07/26
ミメイ
0
壮絶な人生
朔ママ
0
⭐️⭐️⭐️⭐️2021/12/27